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3日間開催中日の阪神メインはローズS(15日、GII、芝1800メートル)。1~3着までに秋華賞(10月13日、京都、GI、芝2000メートル)への優先出走権が与えられる最重要トライアルだ。今年は桜花賞馬グランアレグリアがスプリンターズSに向かい、オークス馬ラヴズオンリーユーは蹄の不安のために秋華賞を回避することが決定。春2冠を制した馬の不在で、ラスト1冠に向けて、例年以上に注目が集まりそうだ。
ウィクトーリア(美浦・小島茂之厩舎)は上がり3ハロン33秒2の切れ味でサンケイスポーツ賞フローラSを快勝すると、続くオークスでも4着と善戦。スタートで後手に回りながら、力強い末脚を発揮して0秒5差まで追い上げた。先月25日に栗東入りして調整中で、4日のCWコースでの1週前追い切りでは5ハロン66秒7-11秒7(馬なり)をマーク。「1週前としてはいい動き。精神面が大人になってきたし、筋肉量も増えましたね。跳びが大きく、きれいなのでスムーズな競馬が理想」と土明充生調教助手は見通しを語る。2008年の母ブラックエンブレムに続く秋華賞母子Vを成し遂げる可能性は十分ある。
2歳女王ダノンファンタジー(栗東・中内田充正厩舎)はチューリップ賞こそ制したものの、桜花賞4着、オークス5着と春は不本意な成績に終わった。気性面や血統からすれば、1800メートルへの距離短縮は歓迎だろう。巻き返しの秋へ、5日はCWコース5ハロン66秒4-11秒7(馬なり)でシャープな動きを披露した。「操縦性の確認に重点を置いた調教。川田騎手は『我慢が利いていました』と話していましたし、緩いところが取れて芯が通ってきました」と猿橋照彦調教助手。メンバー中唯一のGIホースが格の違いを見せつけたい。
シゲルピンクダイヤ(栗東・渡辺薫彦厩舎)はオークスで12着に終わったが、父ダイワメジャーからすれば2400メートルは長かったか。3ハロン短縮で阪神の外回りなら、上がり3ハロン32秒7で2着に食い込んだ桜花賞の走りが蘇っていい。脚元の関係で坂路中心だった春とは異なり、1週前にCWコースでしっかり追えた(6ハロン82秒2-12秒2)のもプラスだろう。「動きは良かったですね。春より落ち着きがあって大人になっているし、息遣いもいい」と渡辺薫彦調教師は好感触を伝える。
未知の魅力にあふれるのは4戦3勝のアルティマリガーレ(栗東・佐々木晶三厩舎)だ。母はセントウルS、シルクロードSと重賞2勝のアルティマトゥーレで、祖母エアトゥーレはサンスポ杯阪神牝馬S勝ち、3代母スキーパラダイスは仏GIムーランドロンシャン賞Vと母系も筋が通っている。これまではマイル以下に出走してきただけに距離延長が鍵になりそうだが、「掛からないので大丈夫だと思う」と佐々木晶三調教師は強気に構える。新星が勢力図を塗り替えるか。
阪神ジュベナイルフィリーズ3着、桜花賞5着とGIで好走実績があるビーチサンバ(栗東・友道康夫厩舎)も十分上位を狙える。
サンスポ賞フローラSでハナ差2着のシャドウディーヴァ(美浦・斎藤誠厩舎)、牡馬相手のニュージーランドTで2着に入っているメイショウショウブ(栗東・池添兼雄厩舎)、名牝スイープトウショウを母に持ち、新潟で3勝目を挙げたスイープセレリタス(美浦・藤沢和雄厩舎)などもマークしたい存在だ。
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