スプリングSの追い切りが14日、美浦トレセンで行われ、連勝中のヒシイグアスはWコースで僚馬と併入。ラスト1ハロン12秒2の伸び脚を見せ、サンケイスポーツ調教評価は『A』となった。3連勝への重賞Vに向けて上々の仕上がりをアピール。騎乗するミナリク騎手も日本での重賞初勝利に闘志を燃やしている。
クールな優等生はレースでこそ本気を出す。3連勝で重賞Vを狙うヒシイグアスが、Wコース併せ馬で態勢を整えた。
強い北風が吹き荒れる中、追い切りはブーザー(3歳500万下)を1馬身リードする形でスタート。直線では内から馬なりでスッと並びかけてきた僚馬に対し、手綱をしごいて併入に持ち込んだ。手応えでは見劣ったものの、4ハロン52秒2-12秒2なら十分に好タイムといえる。
「前走はまだ経験が浅く子供っぽいところもあったが、成長していい動きができていた。乗るのが楽しみだね」
併走相手に騎乗して動きを注視したミナリク騎手は、満足げな笑みを浮かべた。ラストの反応差も「この馬は性格がクールで折り合いやすい。調教では余裕を持って走って無理をしないんだ」と全く意に介していない。手綱を取った前走で確かな感触をつかんでいる。
デビュー戦こそのちに京成杯を勝ったラストドラフトとマッチレースの末にアタマ差2着と敗れたが、中山に替わって未勝利戦→若竹賞と逃げて連勝を飾った。
「瞬発力よりもスピードの持続性が持ち味なので中山は合います。慣れた得意なコースで期待したいですね」と森助手。堀厩舎は2010年アリゼオ、16年マウントロブソンとこのレースを2勝しており、「単純な比較はできませんが、過去に好勝負してきた馬と遜色ない力があります」と高く評価している。
先週10日の中山5Rで44歳のバースデーVを飾った鞍上にとっても力の入る一戦だ。9日の中山牝馬Sではウラヌスチャームでハナ差2着に終わり、惜しくも日本での重賞初Vを逃した。「結果は悔しいがレースは完璧だった。(ヒシイグアスは)重賞でも通用する能力を感じる。日本にいる間に何とか重賞を勝ちたい」と意欲満々だ。
馬名の由来はアルゼンチンとブラジルにまたがる世界最大の滝。ドイツからやってきた腕達者に導かれ、クラシック戦線に激流を巻き起こす。 (漆山貴禎)
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