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東京では土曜に3歳牝馬によるGIIIクイーンC(13日、芝1600メートル)が行われる。過去の勝ち馬にはホエールキャプチャ、ヴィルシーナ、メジャーエンブレム、クロノジェネシスなどがおり、桜花賞(4月11日、阪神、GI、芝1600メートル)の前哨戦としてだけでなく、将来のGI馬を輩出する出世レースとしても定着している。
今年の注目度ナンバーワンは、アカイトリノムスメ(美浦・国枝栄厩舎)だ。父ディープインパクト×母アパパネという3冠馬同士の配合から生まれた超良血馬で、初戦こそ取りこぼしたものの、その後は期待通りに未勝利、赤松賞を連勝した。ここ2戦の上がり3ハロンはともにメンバー最速。アパパネの子としては初の牝馬で、全兄のモクレレ、ジナンボー、ラインベックよりも素軽さ、切れ味が増した印象だ。3日の1週前追い切りでは美浦Wコース5ハロン66秒6-12秒0の好時計を馬なりでマークと順調そのもの。3連勝で重賞初制覇を飾り、母が制した牝馬3冠の道を歩みたい。
実績的にはククナ(美浦・栗田徹厩舎)が最上位の存在だ。2走前のアルテミスS(2着)では上がり3ハロン33秒4の末脚で後の2歳女王ソダシに迫った。切れ味は桜花賞2着の母クルミナル譲りだ。前走のシンザン記念は4着に終わったが、大外枠が響いた形で悲観する内容ではなかった。中間に放牧を挟んで3日に帰厩とレースまでの調整期間は短いが、6日に美浦Wコース5ハロン66秒3-12秒6(馬なり)をマークしているので心配はないだろう。
リフレイム(美浦・黒岩陽一厩舎)も潜在能力の高さでは負けていない。父が米3冠馬アメリカンフェイローで、母も米GIアラバマS勝ちのケアレスジュエルという米国産の超良血は、夏の新潟デビュー戦では直線で外ラチまでモタれる悪癖を見せながらも逃げ切る怪物ぶりを披露。その後課せられた調教再審査をパスして臨んだ2戦目は、最後方から鮮やかに突き抜けて5馬身差で圧勝した。前走の京王杯2歳Sは中1週のタイトなローテが響いたのか中団の後ろから5着に追い上げるのがやっとだったが、馬群で折り合って競馬できたのは収穫だった。今回は3カ月の充電期間をとって、心身ともにフレッシュな状態。2週連続で追い切りにまたがった主戦の木幡巧也騎手は「前進気勢がありながらも、オンとオフがしっかりできて気持ちがコントロールできている。直線も真っすぐに走れているし、一戦ごとに良くなっています」と好感触を得ている。
サウジアラビアロイヤルC2着など道悪で実績を残してきたインフィナイト(栗東・音無秀孝厩舎)は高速決着だった阪神ジュベナイルフィリーズで14着に大敗しており、ここで改めて軽い芝への適性が問われる。未勝利戦、つわぶき賞を連勝中のカイトゲニー(美浦・和田雄二厩舎)、菜の花賞を勝ったスライリー(美浦・相沢郁厩舎)などの2勝馬も侮れない。
抽選対象馬(8日現在15分の8)にも注目すべき馬は多い。牡馬相手のベゴニア賞でクビ差2着のステラリア(栗東・斉藤崇史厩舎)、デビュー戦で豪快な最後方一気を決めた藤田菜七子騎乗のレッジャードロ(美浦・戸田博文厩舎)、近親に皐月賞馬ヴィクトリー、アリストテレスなどの重賞勝ち馬がいるアールドヴィーヴル(栗東・今野貞一厩舎)、同じ東京マイルの新馬戦を圧勝したレフトゥバーズ(美浦・萩原清厩舎)、差し脚鋭いイズンシーラブリー(美浦・加藤征弘厩舎)などが有力だ。
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