一年間に渡って激戦が繰り広げられてきた「ウマニティPOG 2016」もいよいよ残り1週。
日本ダービー開催日の5月28日(日)をもって優勝争いに決着がつきます。
今年も私はスペシャルワールドに参加させていただきましたが、残念ながら中位をキープするのが精いっぱいという体たらく。重賞ウイナーが
ファンディーナ(ドリームオブジェニーの2014)だけというのも寂しいですね。そろそろ「ウマニティPOG 2013から3シーズン連続でGⅠウイナーを指名」「ウマニティPOG 2014のスペシャルワールドで優勝」といった看板も色褪せてきて、来シーズンは真価を問われる一年になりそう。私と同じく捲土重来を期している皆さんも一緒に頑張りましょう。
通算5シーズン目となる「ウマニティPOG 2017」は来週から本格的にスタート。5月30日(火)12:00から第1回の入札がスタートし、6月2日(金)には最初の仮想オーナー馬が確定します。昨シーズンと同じく、第1回の本稿では指名馬の選択や絞り込みに役立ちそうなデータをまとめてみました。
以下の表組で紹介しているのは、現3~5歳の過去3世代における主要な種牡馬、生産者、調教師の勝ち馬率や1頭あたり本賞金です。なお、POG期間全体を対象にすると一部の活躍馬が1頭あたり本賞金を大きく左右してしまうため、集計対象は「JRA、かつ2~3歳歳限定、かつ新馬が行われている週(例年の2回中山ならびに1回阪神閉幕週)までのレースのみ」としています。
まずは種牡馬別成績(表A)をご覧いただきましょう。掲載対象としたのは集計対象レースにおける出走頭数ランキングの上位20種牡馬。順位は1頭あたり本賞金が高い順です。
トップは当然ながら
ディープインパクト。勝ち馬率の高さも突出していました。今年は
オルフェーヴルや
ロードカナロアといった新種牡馬が注目を集めているものの、さすがにこういったレベルの好成績を収める可能性は低いはず。無理に逆らう必要はありません。
ディープインパクト以外の勢力図をまとめてみると、二番手グループが
キングカメハメハと
ダイワメジャー、それに次ぐ存在が
キンシャサノキセキ、
ハーツクライ、
マンハッタンカフェあたりといったところでしょうか。集計対象レースへの出走頭数がやや少ない種牡馬の中では、
ヴィクトワールピサ(勝ち馬率26%/1頭あたり本賞金411万円)、
ルーラーシップ(同28%/423万円)あたりも悪くない成績を収めています。
生産者別成績(表B)は下記のような構図。こちらも種牡馬別成績と同じく、集計対象レースに出走した馬の頭数で上位20生産者を抽出し、1頭あたり本賞金が高い順に並べました。
勝ち馬率が40%を超えているのはノーザンファームだけ。当然ながら、1頭あたり本賞金も断然のトップです。データを出すまでもなく存在感は圧倒的であり、その分だけ注目度も高いわけですが、生産馬の数が多いので人気の盲点になる馬は必ずいるはず。可能な限りチェックしておくべきでしょう。
他の生産者では、社台ファームと同等かそれ以上の好成績をマークしたグランド牧場、社台コーポレーション白老ファーム、フジワラフアームあたりも面白い存在だと思います。
最後に紹介するのは(JRA初出走時の)調教師別成績(表C)こちらは集計対象レースに出走した馬の頭数が30頭以上だった調教師のうち、1頭あたり本賞金の上位20名を掲載対象としました。
1頭あたり本賞金が一千万円以上なのは
池江泰寿調教師、
藤沢和雄調教師、
堀宣行調教師の3名。勝ち馬率の高さも考慮すると、
角居勝彦調教師や
友道康夫調教師までが“トップクラス”と言えるでしょう。
ちなみに、美浦所属でランクインしているのは前出の
藤沢和雄調教師、
堀宣行調教師を除くと
国枝栄調教師、
小島茂之調教師、
手塚貴久調教師の3名だけで、ベスト10圏内には届いていません。有力厩舎の絶対数が少ない分、レース選択などの面でもメリットがあるはずですから、今後も
藤沢和雄調教師と
堀宣行調教師は積極的に狙っていきたいところです。
■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
埼玉県桶川市在住のフリーライター、競馬評論家。JRAホームページ内『今週の注目レース』で「データ分析」のコーナーを担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラムなどさまざまなメディアを舞台に活動している。近著に
『コース別 本当に儲かる騎手大全 2016秋~2017』(ガイドワークス)など。2016年12月02日には監修を務める人気シリーズの最新刊
『ウルトラ回収率 2017-2018』(ガイドワークス)を、2017年04月12日には最新刊
『コース別 本当に儲かる血統大全 2017-2018』(ガイドワークス)をリリース。POG関連メディアの制作にもさまざまな形で携わっており、ウマニティPOG 2014では最高位クラスのスペシャルワールドにおいて優勝を果たした。