多くの馬が未経験の２４００メートル。その中にあって、この舞台が最適ともいえるのがミッドサマーフェアだ。父タニノギムレットはダービー馬で、その代表産駒にダービー、ジャパンＣなど東京でＧＩ６勝を挙げたウオッカがいる。母の父キングマンボも東京２４００メートルのＧＩ馬を３頭出しており、まさに東京コース向き。祖母がＢＣジュベナイルフィリーズ、フリゼットＳ（ともにダ１７００メートル）とＧＩを２勝し、米２歳牝馬チャンピオンに選出されたストームソングで、母系の質も上々。圧勝した前走以上のパフォーマンスも期待できる。

　ディープインパクト産駒の中で最上位は、桜花賞２着のヴィルシーナ。母の父マキアヴェリアンは同じＳＳ系ネオユニヴァースが父のヴィクトワールピサと同じ。４代母グローリアスソングの直子にシングスピールがいるなど、世界的な名牝系の出身で底力が十分なうえ、距離延長も望むところだ。

　桜花賞馬ジェンティルドンナは母が英スプリントＧＩ馬で、距離延長が歓迎とは言えないが、オークスは完成度が重要なレースでもあり、大きなマイナスではない。また、全姉ドナウブルーがヴィクトリアマイルで２着と好走し、勢いもある。

　キャトルフィーユは半姉が中山牝馬Ｓ連覇など重賞戦線で活躍中のレディアルバローザ（父キングカメハメハ）。阪神内回りから広い府中に替わるのは良さそうだ。

　距離延長が歓迎といえそうなのは、アグネスタキオン産駒のオメガハートランド。伯父に有馬記念馬ハーツクライがいる質の高い母系で、成長力も豊富だ。

　ステイゴールド産駒のアイスフォーリスは３代母が英ＧＩキングジョージＶＩ＆クイーンエリザベスＳ（芝２４００メートル）連覇などＧＩ計１０勝を挙げた名牝ダリア。スタミナもあり、ＧＩでも注目できる。

　桜花賞３着のアイムユアーズはスプリンターの活躍馬が多いファルブラヴ産駒だが、３代母がオークス馬ダイナカールという日本屈指の名牝系で、底力は侮れない。　（血統取材班）

この記事はいかがでしたか？

 (0)