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今週のメインはクイーンS。JRAのレーティング(公式格付)をベースとし、これにいくつかモノサシを組み合わせ出走各馬の真の力関係を解き明かしていく。まずはベースのモノサシ、JRAレーティングの比較から入ろう(過去1年間の最高値を記載)。
113 イズジョーノキセキ
110 ドゥーラ
107 サトノセシル
106 キタウイング、ミスニューヨーク、ライトクオンタム
105 トーセンローリエ、ルビーカサブランカ
104 コスタボニータ
102 ジネストラ
97 ウインピクシス
94 ビジン
91 ローゼライト
(以下格付けなし)
クイーンSの例年の勝ち馬の基準は105~107。重賞としてはやや低めの数値だ。比較は勝つチャンスが高いと思われる106以上の6頭を中心におこなう。
第2のモノサシはアンドヴァラナウト。同馬は昨年から今年にかけ府中牝馬ステークス、エリザベス女王杯、愛知杯、阪神牝馬ステークスに出走しているが、府中牝馬ステークスではイズジョーノキセキ、サトノセシルと対戦し、エリザベス女王杯ではイズジョーノキセキと再戦。愛知杯ではサトノセシルと再戦し、阪神牝馬ステークスでは三度イズジョーノキセキと戦っている。その着差の平均値はイズジョーノキセキ→-0.83秒、サトノセシル→-0.35秒。エリザベス女王杯でのアンドヴァラナウトのバテ方がちょっときつかったのでモノサシとしての正確性が若干怪しいところもあるが、比較から浮かび上がる力関係は、レーティング通り、イズジョーノキセキ>サトノセシルという構図だ。
第3のモノサシは、上位6頭のうち3頭を占める3歳馬比較のモノサシ。ちょっと変わった見方になるのだが、ここでは各馬の「着順推移」を使ってみたい。2013年以降、クイーンSには11頭の3歳馬が出走しているが、馬券に絡んだのは2017年に同レースを優勝したアエロリットただ一頭。11頭の3歳馬の同レースまでの着順推移を見ると、勝ったアエロリット以外は、桜花賞を含む春のレースで好走していても直前に走ったレースで大きく着順を落としているケースが目立ち、特にオークスを大敗した馬は一頭も好走していない。着順の昇降を「前々走」から「前走」で引き算し、その値を単に数字として並べてみるとドゥーラ→+11、キタウイング→-3、ライトクオンタム→-9である(プラスは調子の上向き、マイナスは調子の下向きと判断)。「調子」が実力よりも大きく影響する夏競馬で、この比較結果は無視しがたい。第3の比較からは今回のレースに出走してくる3歳馬の序列を、ドゥーラ>キタウイング>ライトクオンタム、としておきたい。
第4のモノサシはスライリー。ミスニューヨークは同馬と福島牝馬ステークスで戦い、0.2秒先着しているが、そのスライリーに対して、前述サトノセシルは中山牝馬ステークスで0.4秒先着している。レース結果からはサトノセシル>ミスニューヨークが推測され、ミスニューヨークに今回出番はなさそうだ。
諸々の比較から、本命◎はサトノセシル。イズジョーのほうが比較では上だが、有馬記念以降着順が下がり続けている点と斤量57kgが気掛かりなこと、さらにサトノセシルが2年連続で3着以内に入っている部分を考慮し、ここはサトノを本命に。対抗○は3歳馬筆頭のドゥーラとし、▲には比較対象外から、直近の調子が上向いているルビーカサブランカを指名したい。
【モノサシ比較による注目馬】
◎サトノセシル ○ドゥーラ ▲ルビーカサブランカ
モノサシの正誤判定は7/30(日)だ。
(文:のら~り)