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いよいよ今週から有馬記念まで、7週連続のGI。秋競馬も佳境に入る。その幕開けとなる京都日曜メーンは、第39回エリザベス女王杯(芝2200メートル)。3歳以上の牝馬による、女王決定戦だ。
秋華賞を制したショウナンパンドラ(栗東・高野友和厩舎、3歳)は、待望の重賞勝ちをGIレースで飾った。インを突いて抜け出し、外から伸びてきたヌーヴォレコルトをクビ差おさえてのV。デビューから9戦を消化して3勝、2着4回と堅実な走りで、京都コースに限定すれば【2・1・0・0】とパーフェクト連対だ。中4週で疲れをとって立て直し、フレッシュな状態を保っている。1ハロンの距離延長も問題なく、道悪になっても心配は無用。今回は一線級の古馬相手になるが、前走よりも1キロ軽い54キロで戦える点も有利だ。GI連勝の可能性は高い。
オークス馬ヌーヴォレコルト(美浦・斎藤誠厩舎、3歳)は秋華賞2着直後はジャパンC参戦をほのめかしていたが、オーナーサイドの意向もあり、牝馬限定のGI参戦を決めた。前走後は美浦に戻っての調整。栗東滞在の前走時とは違い、美浦で追い切ってから京都に入る。中間のカイ食いはよく、馬体はふっくらとして好調キープ。秋華賞は、結果的にショウナンパンドラとは直線のコース取りが明暗を分けたが、実力差はほとんどない。距離延長を味方に逆転も十分可能だ。
古馬では昨年の覇者メイショウマンボ(栗東・飯田祐史厩舎、4歳)が筆頭格。秋初戦の京都大賞典は2番人気に推されながらも見せ場なく10着に敗退した。ただ、もともと叩き良化型なので、さほど気にしなくてもいいだろう。1度使って調教の動きはガラリ一変。余裕残しだった馬体もすっきりと絞れて、状態は確実に上向いてきた。牝馬同士なら地力は間違いなく上位。連覇に向けて着々と態勢を整えている。
栗東・角居勝彦厩舎は3頭出し。昨年の女王杯2着ラキシス(4歳)は、5カ月ぶりの産経賞オールカマーで2着と牡馬相手でもヒケを取らない能力の高さを見せた。レース直後からここ一本に絞って調整され、仕上がりは上々。前々につけられるレース運びのうまさと、しぶとい末脚が魅力だ。
ディアデラマドレ(4歳)は今年、マーメイドS、府中牝馬Sと重賞2勝で本格化の兆しが見えてきた。昨年のこのレースは9着だったが、この一年でメキメキと力をつけている。京都でも勝ち星を挙げており、差し脚比べなら要注意だ。
キャトルフィーユ(5歳)は2走前のクイーンSをレコード勝ち。小回りコースで実績があるように、立ち回りが上手で器用さを備えているのは魅力だ。今回は名手ルメールが手綱を取る。また違った一面が見られそうだ。
ヴィクトリアマイルを連覇しているのヴィルシーナ(栗東・友道康夫厩舎、5歳)や、4年連続参戦となるホエールキャプチャ(美浦・田中清隆厩舎、6歳)といった実績馬はもちろんだが、末脚切れるスマートレイアー(栗東・大久保龍志厩舎、4歳)、潜在能力では互角のレッドリヴェール(栗東・須貝尚介厩舎、3歳)、昨年の3着馬アロマティコ(栗東・佐々木晶三厩舎、5歳)なども十分に上位を争える力の持ち主。ハープスター、ジェンティルドンナという2頭の牝馬が不在でも、大いに見応えある戦いが期待できそうだ。
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