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中央競馬の舞台は東京と京都に替わり、3日間開催を迎える。東京では伝統のGII毎日王冠(8日、芝1800メートル)がメイン。ダービー馬2頭を含む5頭のGIホースが出走する“スーパーGII”で最も注目を集めるのは、今年のオークス馬ソウルスターリングだ。目標の天皇賞・秋(29日、東京、GI、芝2000メートル)へ、グレード制導入後初の3歳牝馬Vで弾みをつける。
高みを目指し、この秋はあえていばらの道へ。オークス馬ソウルスターリングはすでに発表されている通り、天皇賞・秋を目標に、GIクラスの年長牡馬を相手に戦う。まずは始動戦のGII。充電期間にあてた夏の成長を証明する構えだ。
「休み明けでも想像以上に仕上がっている。馬自身も走りたがっているような雰囲気。いいんじゃないの。“らしい”感じでね」
藤沢和調教師が語るように、4カ月半ぶりでも競走意欲は旺盛で仕上がりに不安はない。
桜花賞3着の雪辱を期したオークスでは、4コーナー2番手の堂々たる競馬で完勝。タイム2分24秒1も、翌週のダービーより2秒8も速い優秀なものだった。その後は宮城・山元トレセンで英気を養い、8月中旬に帰厩。21日の2週前追い切り(Wコース4ハロン53秒3)に騎乗したルメール騎手は「春より走りのバランスが良くなっている」とひと夏を越しての成長を強調する。
毎日王冠で牝馬が優勝したのは、グレード制導入の1984年以降、87年ダイナアクトレス、93年シンコウラブリイ、2016年ルージュバックの3頭のみ。3歳牝馬となると、挑戦自体がスティンガー(99年4着)の1度しかない。ダービー馬2頭を含む古馬一線級との戦いだが、ソウルは昨年の阪神JFも勝っているメンバー唯一のGI2勝馬。ルメール騎手も「彼女は能力がありますから」と絶大な信頼を寄せる。凱旋門賞(サトノダイヤモンド15着)の悔しさも、晴らしたいところだ。
「東京の1800メートルや2000メートルは言うことない舞台。古馬が相手になるけど、いいスタートを切ってほしいね」とトレーナーも期待をかける。天皇賞への力試しとしては、これ以上ない相手関係の前哨戦。世界的良血の3歳牝馬ソウルスターリングが、歴史的勝利へ大きく羽ばたく。
★展望
登録頭数は12頭だが、5頭のGI馬を含む豪華な顔触れとなった。注目はやはりオークス馬ソウルスターリングだ。53キロの斤量、中間の気配とも申し分なく、勝機は十分だろう。ダービー馬マカヒキ、ワンアンドオンリーといった実績馬に、ドバイターフ勝ち馬のリアルスティール、安田記念を制したサトノアラジンなどのGI馬もスタンバイ。まだ底を見せていない良血グレーターロンドンや、安定しているアストラエンブレムも上位争いが見込めるだけに、激戦必至だ。
★毎日王冠の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載