阪神日曜メーンの産経大阪杯に出走するアーネストリー、トーセンジョーダン、ローズキングダムのＧＩ馬３頭は、いずれも休み明け。４歳を迎えて充実著しいナカヤマナイトにとって、今回は重賞２勝目の大きなチャンスだ。３１日深夜に行われるドバイ国際競走には７頭の日本馬が遠征しているが、ナイトも昨秋のフランス遠征を境に心身ともに大きく成長。好調ステイゴールド産駒がＧＩＩを制して、さらなる飛躍の足掛かりとする。

　先週の日経賞を１２番人気ネコパンチ、マーチＳを６番人気サイレントメロディが制して勢いに乗る関東馬。今度はオレの番だ、と言わんばかりに調子を上げているのがナカヤマナイトだ。

　前走のＡＪＣＣは調子こそ悪くなかったが、右トモ（後肢）の外傷で中間に少し楽をさせたこともあり、余裕のある体つき。それでも、得意ではない不良馬場で積極的な競馬を展開して１番人気ルーラーシップの２着。二ノ宮調教師も「強い馬はいたが、いいレースができた」と確かな手応えを感じた一戦だった。

　それから２カ月半がたち、さらにパワーアップのムードだ。今週のドバイ国際競走に参戦する日本馬７頭に先駆けて、ナカヤマナイトは昨秋にひと足早く、ナカヤマフェスタとともにフランスに遠征。ＧＩＩニエル賞６着、ＧＩＩドラール賞１０着と好結果こそ出せなかったが、タフな欧州の調教＆競馬を体験したことが力となって、今、猛スピードで成長している。「以前は（体に）緩いところがあったが、体に実が入って強い調教ができるようになった。フランス遠征時より数段良くなったし、思い描いた姿に近づいてきた」とトレーナー。遠征を経て馬体も約２０キロほど増えたことが、今の充実ぶりを示している。

　昨年の３冠＆有馬記念を制した同世代のオルフェーヴルや、今年のクラシック有力候補ゴールドシップなど、最近の活躍が著しいステイゴールド産駒。ナカヤマナイトもその父の産駒らしい気性の激しさを持つが「最近は余計なことをしなくなったし、精神的にも大人になってきた」と三浦調教助手。精神面も成長して「まだまだ成長しそうで、先が楽しみ」。７歳１２月の香港ヴァーズでＧＩ初制覇を果たした父譲りの成長力に、三浦助手の期待は膨らむばかりだ。

　「阪神コースは初めてだが、ここでいい経験を積んで（目標の）宝塚記念（６月２４日、阪神、ＧＩ、芝２２００メートル）につなげたい」と二ノ宮師。先輩のナカヤマフェスタは２０１０年の宝塚記念を勝ち、同年の凱旋門賞２着と飛躍した。ナカヤマナイトも阪神競馬場で昨年のＧＩＩＩ共同通信杯以来、約１年２カ月ぶりの重賞２勝目を手にして、偉大な先輩に続きたい。　（板津雄志）

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