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中山の土曜メインは3歳馬によるマイル重賞のニュージーランドトロフィー(8日、GⅡ、芝1600メートル)。1~3着馬にNHKマイルC(5月7日、東京、GⅠ、芝1600メートル)の優先出走権が与えられる。今年は桜花賞の出走ボーダーラインが高く、例年より牝馬の出走が多い点がポイントになりそうだ。
ドルチェモア(栗東・須貝尚介厩舎、牡)はデビューから3連勝でGⅠ朝日杯FSを制覇し、昨年のJRA賞最優秀2歳牡馬に輝いた。やはり主役はこの馬だろう。朝日杯FSでは同型馬が多かったが、先手を主張する馬たちを行かせると、うまく控えて好位の3番手を追走。ラスト1ハロンを切ったあたりで抜け出すと、後続の追い上げをクビ差でしのいだ。ハイペースの中、好位から押し切ったレースぶりは価値が高い。初めての中山コースや本番のNHKマイルCへのたたき台である点を考えると不安材料がないわけではないが、このメンバーなら負けられない一戦になるだろう。
エエヤン(美浦・伊藤大士厩舎、牡)は中山芝1600メートル戦を連勝中と勢いがある。特に前走は2番手から4コーナーも手綱を持ったままで押し上げると、直線もほとんど馬なりで後続を突き放し、3馬身差の圧勝だった。相手に恵まれていたとはいえ、マイルでのレースぶりは良化しており、重賞でも期待できそうだ。
現時点で桜花賞の補欠1番手のメイクアスナッチ(美浦・武市康男厩舎、牝)は、無傷の連勝で挑んだフェアリーSで、7番人気ながらアタマ差の2着に好走。直線では一気に差し切れるかと思うほどの勢いだったが、勝ち馬は内をロスなく進んでおり、そのぶんの差だろう。惜しくも3連勝とはいかなかったが、距離延長に対応した点は収穫だった。今回は牡馬相手の重賞になるが、前走と同じ舞台なら好勝負に持ち込めるだろう。
ルミノメテオール(美浦・金成貴史厩舎、牝)は新馬戦、つわぶき賞を連勝して挑んだチューリップ賞で0秒1差の4着に健闘。道中は好位を取りにいったぶん力んでしまい、初の右回りも影響したのか、この馬らしいしまいの切れが見られなかった。それでも大きくは負けておらず、地力の高さを示したと言っていいだろう。2度目の右回りなら牡馬相手でも差し切るシーンがあっても不思議はない。
モリアーナ(美浦・武藤善則厩舎、牝)は阪神JF(12着)こそレース前からテンションが高く、掛かってしまって力を発揮できなかったが、前走のクイーンCでは小差の3着と好走。新馬戦、コスモス賞で破った相手を考えると、ここも勝ち負けに持ち込めるだけの地力はある。
他にもクイーンC6着でマイルCS優勝馬ステルヴィオの全妹ウンブライル(美浦・木村哲也厩舎、牝)、朝日杯FS5着馬のバグラダス(美浦・嘉藤貴行厩舎、牡)、距離短縮で京成杯6着から巻き返しを図るシャンパンカラー(美浦・田中剛厩舎、牡)など、有望な3歳馬たちがエントリーしている。