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2歳新馬戦が5日にスタート。6日に初勝利を挙げたブレスレスリー(父アメリカンペイトリオット)など新種牡馬産駒の走りに注目が集まる。最大の話題は現役時代にGIを7勝したキタサンブラックの産駒。父に似た雄大な馬格の持ち主が多く、83頭いる同期のなかから、クラシック候補生が出ても不思議ではない。
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引退レースの有馬記念を勝ち、北島三郎オーナーが『まつり』を熱唱した感動のドラマから3年半。待ちに待ったキタサンブラックの産駒がデビューを迎える。現役時代に管理した清水久調教師は、2世の活躍に期待を込める。
「自厩舎の馬を含め、数頭みていますが、父に似てスラっと背の高い馬が、比較的多いんじゃないかと思います。同じように気性がおとなしい馬も多いみたいですし、走ってほしいですね」
キタサンブラックは、3歳秋の菊花賞でGI初制覇、4歳時には天皇賞・春、ジャパンCを制し、年度代表馬に輝いた。5歳時は大阪杯、春秋の天皇賞、有馬記念とGI4勝で2年連続で年度代表馬を受賞。また昨年、史上34頭目の顕彰馬に選定されるなど、ひとつの時代を築いたスーパースターだった。
引退後は、北海道安平町の社台スタリオンステーションで繋養され、総額13億5000万円のシンジケートが組まれた。初年度は130頭に種付けし、GIを7勝したジェンティルドンナの母ドナブリーニ、宝塚記念などGI3勝のスイープトウショウとも交配されている。
4歳時から主戦を務めた武豊騎手の期待も大きく、「スピードもスタミナもあって、成長力もすごかった。産駒に乗ったことはまだないけど、早くまたがってみたい。種牡馬としても楽しみにしていますよ」とコメントを寄せた。
長らくリーディングサイアーに君臨しているディープインパクトが2019年に急死して、種牡馬の勢力分布が変わっていくことは間違いない。清水久調教師は「父もスピードはあったと思うので、子供もいいスピードは持っていると思います。早い時期から走ってくる子もいるはずですよ」と可能性を示唆した。キタサンブラックが父親として、競馬史に新たな歴史を刻もうとしている。(山口大輝)
■キタサンブラック 父ブラックタイド、母シュガーハート、母の父サクラバクシンオー。鹿毛の牡9歳。現役時は栗東・清水久厩舎所属。北海道日高町・ヤナガワ牧場の生産馬。馬主は(有)大野商事。戦績は20戦12勝。獲得賞金18億7684万3000円。。重賞は2015年GIIスプリングS、GIIセントライト記念、GI菊花賞、16年GI天皇賞・春、GII京都大賞典、GIジャパンC、17年GI大阪杯、GI天皇賞・春&秋、GI有馬記念の10勝。昨年、顕彰馬に選定された。