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3歳牝馬のみに出走が許される、うら若き乙女たちによる頂上決戦。牝馬限定のクラシックレースでは2冠目にあたり、全馬ほぼ未経験となる2400mの距離で世代トップの座を争う。1冠目にあたる桜花賞に勝ち、この優駿牝馬(オークス)も手中に収め、クラシックレースではないものの秋に開催される3冠目の秋華賞(1995年以前はエリザベス女王杯)を制して“牝馬三冠”を達成したのは、1986年メジロラモーヌ、2003年スティルインラブ、2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナ、2018年アーモンドアイ、2020年デアリングタクト、2023年リバティアイランドの7頭。優駿牝馬(オークス)を制した馬の多くはその後も活躍し、第40回(1979年)のアグネスレディー、第44回(1983年)のダイナカール、第54回(1993年)のベガ、第57回(1996年)のエアグルーヴ、第66回(2005年)のシーザリオなど、競走馬としてはもちろんのこと、引退後の繁殖牝馬として成功を収めた名牝が多数誕生している。2010年に行われた第71回は、アパパネとサンテミリオンによるJRA史上初のG1同着決着となり、場内が騒然となった。
▼2010年はJRAのG1競走で史上初となるアパパネとサンテミリオンによる1着同着。
一般的にオークスと呼ばれるが、レースの正式名称は「優駿牝馬」。イギリスのオークスに範をとる格好で、1938年に4歳(現在の3歳)牝馬限定の「阪神優駿牝馬」として創設された。当初の舞台は阪神芝2700mだったが、幾度かの距離短縮を経て、1946年に東京芝2400mに移設。同時に競走名も「優駿牝馬」に改称され、1965年から副称のオークスが付けられるようになった。3歳牡馬の最高峰が東京優駿(日本ダービー)であるならば、3歳牝馬のそれにあたるのが優駿牝馬(オークス)。牝馬にとって3歳春時点での2400mという距離は過酷ながら、世代最強女王の座を目指すべく、毎年一線級が顔をそろえる。ただし、NHKマイルカップが新設された1996年以降は、距離適性を重視して優駿牝馬(オークス)を回避し、マイル路線を歩む実績馬の姿も多く見られるようになった。
1986年以降の優勝馬を掲載しています。
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記と統一しています。
回数 | 開催日 | 優勝馬 |
---|---|---|
第85回 |
2024年5月19日
東京
芝2400m
|
チェルヴィニア
美
牝3 C.ルメール
木村哲也
|
第84回 |
2023年5月21日
東京
芝2400m
|
リバティアイランド
栗
牝3 川田将雅
中内田充
|
第83回 |
2022年5月22日
東京
芝2400m
|
スターズオンアース
美
牝3 C.ルメール
高柳瑞樹
|
第82回 |
2021年5月23日
東京
芝2400m
|
ユーバーレーベン
美
牝3 M.デムーロ
手塚貴久
|
第81回 |
2020年5月24日
東京
芝2400m
|
デアリングタクト
栗
牝3 松山弘平
杉山晴紀
|
第80回 |
2019年5月19日
東京
芝2400m
|
ラヴズオンリーユー
栗
牝3 M.デムーロ
矢作芳人
|
第79回 |
2018年5月20日
東京
芝2400m
|
アーモンドアイ
美
牝3 C.ルメール
国枝栄
|
第78回 |
2017年5月21日
東京
芝2400m
|
ソウルスターリング
美
牝3 C.ルメール
藤沢和雄
|
第77回 |
2016年5月22日
東京
芝2400m
|
シンハライト
栗
牝3 池添謙一
石坂正
|
第76回 |
2015年5月24日
東京
芝2400m
|
ミッキークイーン
栗
牝3 浜中俊
池江泰寿
|
第75回 |
2014年5月25日
東京
芝2400m
|
ヌーヴォレコルト
美
牝3 岩田康誠
斎藤誠
|
第74回 |
2013年5月19日
東京
芝2400m
|
メイショウマンボ
栗
牝3 武幸四郎
飯田明弘
|
第73回 |
2012年5月20日
東京
芝2400m
|
ジェンティルドンナ
栗
牝3 川田将雅
石坂正
|
第72回 |
2011年5月22日
東京
芝2400m
|
エリンコート
栗
牝3 後藤浩輝
笹田和秀
|
第71回 |
2010年5月23日
東京
芝2400m
|
アパパネ
美
牝3 蛯名正義
国枝栄
|
第70回 |
2009年5月24日
東京
芝2400m
|
ブエナビスタ
栗
牝3 安藤勝己
松田博資
|
第69回 |
2008年5月25日
東京
芝2400m
|
トールポピー
栗
牝3 池添謙一
角居勝彦
|
第68回 |
2007年5月20日
東京
芝2400m
|
ローブデコルテ
栗
牝3 福永祐一
松元茂樹
|
第67回 |
2006年5月21日
東京
芝2400m
|
カワカミプリンセス
栗
牝3 本田優
西浦勝一
|
第66回 |
2005年5月22日
東京
芝2400m
|
シーザリオ
栗
牝3 福永祐一
角居勝彦
|
第65回 |
2004年5月23日
東京
芝2400m
|
ダイワエルシエーロ
栗
牝3 福永祐一
松田国英
|
第64回 |
2003年5月25日
東京
芝2400m
|
スティルインラブ
栗
牝3 幸英明
松元省一
|
第63回 |
2002年5月19日
東京
芝2400m
|
スマイルトゥモロー
美
牝3 吉田豊
勢司和浩
|
第62回 |
2001年5月20日
東京
芝2400m
|
レディパステル
美
牝3 K.デザーモ
田中清隆
|
第61回 |
2000年5月21日
東京
芝2400m
|
シルクプリマドンナ
栗
牝3 藤田伸二
山内研二
|
第60回 |
1999年5月30日
東京
芝2400m
|
ウメノファイバー
美
牝3 蛯名正義
相沢郁
|
第59回 |
1998年5月31日
東京
芝2400m
|
エリモエクセル
栗
牝3 的場均
加藤敬二
|
第58回 |
1997年5月25日
東京
芝2400m
|
メジロドーベル
美
牝3 吉田豊
大久保洋
|
第57回 |
1996年5月26日
東京
芝2400m
|
エアグルーヴ
栗
牝3 武豊
伊藤雄二
|
第56回 |
1995年5月21日
東京
芝2400m
|
ダンスパートナー
栗
牝3 武豊
白井寿昭
|
第55回 |
1994年5月22日
東京
芝2400m
|
チョウカイキャロル
栗
牝3 小島貞博
鶴留明雄
|
第54回 |
1993年5月23日
東京
芝2400m
|
ベガ
栗
牝3 武豊
松田博資
|
第53回 |
1992年5月24日
東京
芝2400m
|
アドラーブル
栗
牝3 村本善之
小林稔
|
第52回 |
1991年5月19日
東京
芝2400m
|
イソノルーブル
栗
牝3 松永幹夫
清水久雄
|
第51回 |
1990年5月20日
東京
芝2400m
|
エイシンサニー
栗
牝3 岸滋彦
坂口正則
|
第50回 |
1989年5月21日
東京
芝2400m
|
ライトカラー
栗
牝3 田島良保
清田十一
|
第49回 |
1988年5月22日
東京
芝2400m
|
コスモドリーム
栗
牝3 熊澤重文
松田博資
|
第48回 |
1987年5月24日
東京
芝2400m
|
マックスビューティ
栗
牝3 田原成貴
伊藤雄二
|
第47回 |
1986年5月18日
東京
芝2400m
|
メジロラモーヌ
美
牝3 河内洋
奥平真治
|
第1~13回(1938~1952年)は10月上旬~11月下旬。第14回(1953年)以降は原則として5月中旬~下旬に開催されている。
施行場所:東京芝2400m(左回り) 出走資格:3歳牝馬 1着賞金:1億5000万円 負担重量:馬齢重量
競走名にある「オーク(Oak)」は樫を意味する英語。イギリスのダービー創設者である第12代ダービー卿が結婚の際にこれを記念し、自身が所有する樫の森が茂る「オークス」と呼ばれる土地で、夫人の希望により3歳牝馬のレースを開催したことにこの競走名は由来する。
1938年 | 阪神芝2700m、4歳(現際の3歳)牝馬、定量、「阪神優駿牝馬」として創設 |
1939年 | 1位入線のヒサヨシが興奮剤施用禁止規定違反により失格 |
1940年 | 施行距離を芝2450mに変更 |
1943年 | 京都芝2400mで施行 |
1944年 | 第二次世界大戦にともない開催中止(~1945年) |
1946年 | 競走名を「優駿牝馬」に改称施行場を東京芝2400mに変更 |
1965年 | 競走名を「優駿牝馬(オークス)」に改称 |
1967年 | 厩務員ストの影響にともない5月13日に順延 |
1984年 | G1(国内独自)に格付け |
1995年 | 指定交流競走に指定 |
2007年 | 格付け表記をJpn1に変更 |
2010年 | 国際競走に指定、国際G1に格付けアパパネとサンテミリオンが1着同着 |
2020年 | COVID-19の流行により無観客競馬として開催 |
2024年 | 負担重量を馬齢重量に変更 |