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いよいよダービーウイークに突入だ。今週の日曜東京メーンは第81回日本ダービー(GI)。芝2400メートルを舞台に、3歳馬のチャンピオンが決められる。
主役はやはり皐月賞馬イスラボニータ(美浦・栗田博憲厩舎、牡)だ。皐月賞では初の右回りと2000メートルの距離をあっさり克服してGI初制覇。4戦4勝で弥生賞を制したのちに屈腱炎で引退した父フジキセキに、念願のクラシックタイトルをプレゼントした。
今回の2400メートルは未知の領域だが、東京コース自体は東京スポーツ杯2歳S、共同通信杯のGIII2勝を含む、4戦4勝とパーフェクト。自慢の切れ味をもっとも生かせる『庭』なら、400メートルの距離延長は大きな問題にはならないのかもしれない。21日の1週前追い切りは雨で悪コンディションだったWコースで6ハロン83秒5、ラスト1ハロン12秒6をマーク。「全体時計は速くないけど、我慢がきいていたし、しまいの反応が良かった」と栗田博調教師も合格点を与えた。中間も調整はいたって順調だ。
皐月賞で1番人気2着のトゥザワールド(栗東・池江泰寿厩舎、牡)は、一世一代の大舞台でリベンジを狙う。イスラボニータと同様に6戦6連対。抜群のレースセンスでここまでほぼ完璧な成績を残しており、初の東京、左回りも苦にすることはないと思われる。
なお、この皐月賞1、2着馬の騎手には、それぞれ先週の岩田康誠騎手に続く、史上8人目のクラシック完全制覇がかかる一戦。蛯名正義騎手、川田将雅騎手ともに、一歩も譲れない戦いとなる。
今年は2007年に優勝したウオッカ以来、7年ぶりに牝馬のレッドリヴェール(栗東・須貝尚介厩舎)が参戦する。しかも、阪神ジュベナイルフィリーズ1着、桜花賞2着はウオッカの戦績と同じ。1937年ヒサトモ、43年クリフジ、そしてウオッカに続く史上4頭目の快挙を連想させる。今回、初コンビを組む福永祐一騎手は、2週前、1週前と追い切りに騎乗。「乗りやすくて体の使い方もうまい。男馬と戦うのは楽ではないけど、楽しみな馬」と期待を寄せる。ただ、乗り替わりは1985年のシリウスシンボリ以来、勝っていない。まったくのテン乗りとなれば、54年のゴールデンウエーブ以来となるだけに、そのジンクスを破ることができるか。
皐月賞4着ワンアンドオンリー(栗東・橋口弘次郎厩舎、牡)も、距離が延びて真価を発揮するハーツクライ産駒。逆転戴冠は十分にある。25日のオークスを同じハーツ産駒のヌーヴォレコルトが制しており、血の勢いも見逃せない。
ダービートライアルの青葉賞を勝ったショウナンラグーン(美浦・大久保洋吉厩舎、牡)の末脚も脅威だ。管理する大久保洋調教師は来年2月で定年を迎えるため、今年が最後のダービーとなる。しかも、ラグーンの祖母メジロドーベルは自身が手がけた名牝。「出すからには結果を求めなければいけない」と最後のダービーに燃えている。