ドイツの名手、フィリップ・ミナリク騎手（４５）＝チェコ出身、ドイツ拠点＝が、何と暮れのＧＰ予想に参戦だ。７月の落馬事故で一時は意識不明の状態に陥り、現在はリハビリ中で騎手復帰は「無理」だと語る。そんななか、親日家ジョッキーは「一番騎乗したかった」という有馬記念で今回「一番気になる馬」に、ＧＩ初制覇を狙う〔５〕枠（１０）番カレンブーケドールを挙げた。

　日本の競馬ファンのみなさん、ご無沙汰しています。フィリップ・ミナリクです。ご存じの方もいるでしょうが、私は７月３日にマンハイム競馬場（ドイツ）で落馬。一時期は意識不明の重体に陥り、２カ月以上も昏睡（こんすい）状態が続きました。

　現在は家族の温かいサポートを受けながら、クリニックで毎日４～５時間のリハビリに励んでいます。残念ながら騎手として復帰するのは無理ですが、一人で歩けるまでは回復しています。日本のＧＩレースは、欠かさずに見ていますよ。

　今週末はビッグレースの有馬記念ですね。毎年、レベルの高い馬が争いますね。ファンが投票で出走馬を選ぶレースは、ドイツにはありません。結局、騎乗することはかないませんでしたが、私が日本で一番騎乗したかったレースです。

　このたび、サンスポで私の注目馬を披露させてもらう機会をいただきました。メンバーを見渡し、映像を確認してから考えました。そのうえで出走馬から注目馬を３頭ほどピックアップ。さらに、穴馬を１頭チョイスしました。

　さて、一番気になる存在は…〔５〕枠（１０）番のカレンブーケドールです。２年連続のジャパンＣでの好走（昨年２着、今年４着）。相手関係を含め、素晴らしい走りをしています。強いメンバー相手に戦ってきたことは評価できます。力強いフォームで走る馬ですし、今回はいい結果を出せるのではないでしょうか。

　次に気になるのは〔７〕枠（１３）番フィエールマンですね。（天皇賞・春を勝つなどのこれまでの実績から）距離の問題はない馬です。前走の天皇賞・秋（２着）の最後の脚はすごかったですね。ルメール騎手とのコンビですし、侮れません。

　もう一頭が〔５〕枠（９）番クロノジェネシス。春のグランプリ・宝塚記念で非常に強い競馬（６馬身差Ｖ）をしましたね。今回も当然、チャンスがあると思います。ただし、距離（初めてにして自己最長の２５００メートル）がどうか？　適性からは、少し長い感じはしますね。

　人気はないでしょうが、面白そうなのは昨年のオークス馬の〔２〕枠（４）番ラヴズオンリーユーです。（初の）中山コースがどうかですが、２５００メートルは大丈夫じゃないかと思います。力も感じますね。魅力のある存在だと思います。

　私もこれから、長い勝負（リハビリ）が続きます。今後のことは白紙の状況ですが、頑張って体を治します。日本の競馬ファンのみなさんに、幸多いことを祈っています。（騎手）

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　★ミナリク騎手と日本のファン…ミナリク騎手は７月３日、ドイツ・マンハイム競馬場の７Ｒで落馬。意識不明となり、病院で緊急手術が行われたが昏睡（こんすい）状態が２カ月以上続き、生死の境をさまよった。緑茶が好きで、短期免許で３年続けて来日した際には東京の下町で生活するなど、親日家ぶりで知られるジョッキー。現地報道を知った日本のファンからは「＃ミナリク」のハッシュタグをつけ、「頑張れ」と回復を願う投稿が殺到した。８月下旬に退院、リハビリ開始が伝えられると、ＳＮＳ上は歓喜のツイートや書き込みであふれた。

フィリップ・ミナリク（Ｆｉｌｉｐ・Ｍｉｎａｒｉｋ）　１９７５年３月１０日生まれ、４５歳。チェコ共和国出身。９１年に騎手デビュー。９７年にドイツの騎手免許を取得し、４度のリーディング騎手に輝く。２０１４年のジャパンＣ（アイヴァンホウ６着）で初来日し、短期免許では３回（１８年２～４月、１９年１～４月、２０年１～４月）来日。ＪＲＡ通算４９６戦２９勝で、重賞は騎乗３９戦で１９年中山牝馬Ｓ（ウラヌスチャーム）、今年の共同通信杯（ビターエンダー）の２着が最高。１６９センチ、５１キロ。

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