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●有馬記念のレース展望
いよいよ2009年を締めくくる大一番、第54回グランプリ有馬記念だ。秋の古馬の中、長距離路線は、天皇賞→ジャパンカップときて、総決算が3戦目のこの有馬記念。例年、前2戦のGⅠで覇を競ってきた馬たちが顔をそろえるが、今年の有馬は少々様相が違う。天皇賞の上位5頭の出走がなければ、ジャパンカップ上位組も5着エアシェイディのみの参戦。対して3歳勢は、菊花賞の①~⑤着馬がすべて名を連ね、これに牝馬2冠のブエナビスタが加わるといった豪華さだ。まずは歴戦の古馬なのか、勢いの3歳馬なのかが焦点になる。
古馬勢は春の天皇賞の勝ち馬マイネルキッツ、宝塚記念の勝ち馬ドリームジャーニー、一昨年のこのグランプリの勝ち馬マツリダゴッホ、そして、ジャパンカップ5着で復調をみせた、昨年の3着馬エアシェイディが代表格だが、3歳勢は前記の豪華さ、強力布陣だけに、政権交代ならぬ世代交代が起こる可能性は十分。そうなるとブエナビスタVS菊花賞組の構図も考えておかなければなるまい。これはちょっと難しい。
私個人としては今年の有馬記念、ブエナビスタの取捨が一番のキーと考えている。◎を打てるようなら、難解に見えるこのレースのひもときに苦戦することもないのではないかー。
3歳牝馬の好走例としては、昨年圧勝のダイワスカーレットが前年に2着が真っ先に思い出される。ブエナの実績は3歳時のスカーレットに勝るとも劣らない。違うのはスカーレットが秋華賞、エリザベス女王杯の連勝などを含め、4連勝の勢いで挑んだのに対し、ブエナはオークス以来勝ち星がなく、札幌記念、秋華賞、エリザベス女王杯とすべて1番人気を裏切り、2着、3着降着、3着の敗走つづきでの挑戦であること。勝負ごとに”ツキ”はつきものだ、すっかりその”ツキ”に見離された感のあるブエナが、当たり屋・横山典への手替わりで、さて、復権できるかどうか。