◆クロワデュノール（９日、東京新馬、芝１８００メートル）＝栗・斉藤崇、牡、父キタサンブラック、母ライジングクロス、母の父ケープクロス

《戦評》好スタートから２番手を追走。早めに逃げた良血アルレッキーノに並びかけると、直線でしばらく叩き合ったものの、最後は突き放して２馬身半差の完勝。１分４６秒７はこの舞台の２歳新馬戦最速で、ラスト２ハロンが１１秒１─１１秒５というラップも優秀。破格のデビュー戦だったといえる。

《血統》母は英ＧⅡ勝ちで、英オークス２着。半姉アースライズ（父マンハッタンカフェ）はフラワーＣ２着など重賞でも活躍した。イクイノックスなど大物を出す父からまた一頭、怪物候補の誕生だ。

《将来性》北村友騎手は「切れ味勝負になると分が悪いと思ったので、４コーナーで早めに動かしていきました。勝ててよかったです」とコメント。今後、瞬発力勝負になったときに対応できるかどうかが鍵だが、初戦の内容から距離延長は問題なさそうで、クラシック路線での活躍を期待してもよさそうだ。（山口大輝）

⑧アルレッキーノは母チェッキーノがサンスポ賞フローラＳを勝ち、オークスで２着。１歳上の半姉チェルヴィニア（父ハービンジャー）もオークス馬に輝くなど、底力にあふれるファミリーだ。美浦Ｗコースで２週連続好時計をマークしており、血統に違わぬ才能を秘める。国枝調教師は「まじめな性格で反応がいい。いいレベルにあると思う」と手応えを明かす。

③ネーブルオレンジは５月３１日に栗東ＣＷコースで６ハロン８９秒５─１１秒１、６日に栗東坂路で４ハロン５３秒１─１２秒６。杉山佳調教師は「まだ緩さはありますが、乗り込み量は足りています」と語り「サトノダイヤモンド産駒ですが、丸みがあって、現段階ではいいスピードを見せています。発馬の一歩目を決めたら、いい競馬ができるんじゃないですか」と見通しを語った。

⑧カルミネイションは、いとこにケンタッキーダービー５着のテーオーパスワードがいる。小柄な牝馬とあって仕上がりは早く、５日には函館芝コースで、スピード感たっぷりに５ハロン６８秒７－１１秒７をマークした。菱田騎手は「跳びが大きくて、いい馬ですね。この時期の２歳にしては体の緩さがなくて、しっかりしている印象です。態勢は整っていますよ」と期待している。

新種牡馬フィエールマン産駒の⑦レイヤードレッドは半兄にファルコンＳ２着、京王杯２歳Ｓ３着のオーキッドロマンス（父ロジャーバローズ）がおり、早期から活躍できる血統背景。美浦Ｗコースと坂路でビシビシ乗り込まれ、仕上がりもいい。手塚調教師は「追ってからしぶそうなところはあるけど、最後は伸びるし、ひと追いごとに進歩がある」と手応え十分だ。