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日本ダービーは東京芝2400mで施行される3歳限定のG1。
世代の頂点を決めるレースは、91回目を迎える。過去に逃げ切り勝ちは12例あるものの、最新でも1997年サニーブライアンまで遡らなければならない。当記事の主役、逃げ馬にはやや厳しい歴史だ。
今年逃げる馬はどこまでやれるのか。過去10年のデータを使用し、勝ち馬を探っていきたい。
逃げた馬の成績は[0-1-0-9]。唯一、馬券内へ走ったのは2018年4番人気2着エポカドーロ。
この年の勝ち馬はワグネリアンで、福永祐一騎手(現調教師)は19回目の挑戦で悲願のダービージョッキーへ。1000m通過は60秒8と緩く、この流れなら前にいたい、というもの。外枠から先行策をとった鞍上の思惑と流れがバチっとハマった。
エポカドーロはその年の皐月賞馬ながら、ダービーでは4番人気。東京より中山向きと判断された皐月賞好走馬が、ダービーで不当に人気を落とすケースは度々生じる。今年だと、コスモキュランダからその匂いが漂ってくる。
対象期間中の脚質別成績を確認したい。
▼脚質別成績
逃げ 0.0% 0.0% 10.0%
先行 11.4% 17.1% 22.9%
中団 4.5% 11.4% 19.3%
差し 2.4% 4.8% 7.1%
タフなコースで、前半から突っ込むと苦しくなる。ただ、ペースが緩むと、ワグネリアンの年のようにウイニングポジションは前に振れる。近年は2019年1着ロジャーバローズ、2022年7番人気3着アスクビクターモアなど、ハイペースを前受けして粘り込む人気薄がいる点にも注意したい。
また、長い直線を速く走る能力は優位に働くものの、上がり最速馬の複勝率は58.3%とそれほど突出した数字ではない。やはり、ペースに応じた柔軟な対応が求められる。昨年にしても1000m通過60秒4と緩く、にも関わらず逃げ馬は番手以下を離していた。2018年と同じく、控えた馬には厳しい形だった。
東京芝2400mのスタートは、スタンド前直線。1コーナーまでの350mにゴール板を通過し、コースをぐるっと一周する。2コーナーで下り、向こう正面で短い坂を上ると、3コーナーも下り。多少起伏の道中を経て、525mの直線へ進入する。
逃げ馬に注目すると、ハナ筆頭と目されていたメイショウタバルが左後肢の挫石のため回避してしまった。皐月賞は逃げ馬が揃っていたが、今回逃げ馬らしい逃げ馬はほかにおらず、同馬の回避のもつ意味は大きい。
近走逃げた経験のある馬を見ると、シューガ-クンの2走前、大寒桜賞を挙げられる。そのほか、ゴンバデカーブースとサンライズアースが3走前に逃げているが、これはどちらも新馬戦。一応、コスモキュランダも新馬戦ではハナを切っている。
これらの馬だと、鞍上的にも逃げる可能性が高いのはシュガークンか。いや、鞍上的にと言うなら坂井騎手のシンエンペラーもありそうだ。あるいは、内枠に入った横山典弘騎手とダノンデサイルの奇襲もあるか。距離延長のゴンバデカーブースがテンのスピードの違いを活かすかもしれない。難しい……。
今年のウイニングポジションはどこなのだろう。
◎ダノンエアズロック。メイショウタバル回避のメンバー構成ならそれほど流れず、前々から速い脚を使える馬に向く率が高いとみた。
アイビーSとプリンシパルSの完勝はいずれも好位差しによるもの。特にアイビーSでは、かなり緩い流れの瞬発力勝負でレガレイラに先着している。頭数が増える今回は位置を取れない懸念もあるが、そのあたりはモレイラ騎手に信を置こう。
同じく好位から差せるジャスティンミラノは強敵でも、オッズに開きがあるなら逆転を期待したい。馬券は◎の単勝。⑮との馬連・ワイド。
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