競馬ニュース > 記事
土曜12日の中山メインは中山牝馬S(GⅢ、芝1800メートル)。牝馬同士のハンデ戦らしく波乱含みの一戦で、前3年の3連単配当は全て10万円オーバーとなっている。今年は重賞ウイナーが8頭と例年以上に粒ぞろいのメンバー構成だが、果たして結末はいかに-。
ルビーカサブランカ(栗東・須貝尚介厩舎、5歳)はなかなか勝ち切れないレースが続いていたが、2走前のオリオンSを制してオープン入りすると返す刀で重賞初挑戦の愛知杯をVとここへきて本格化ムード。空いたインをスパッと突いて36年連続のJRA重賞制覇を飾った武豊騎手の手綱も光った。2日は栗東CWコース6ハロン85秒9-11秒3を強めにマークし、「動きはいいし、順調です。1800メートルは少し短いのでどうかだけど、ジョッキーがうまく対応して乗ってくれると思う」と須貝尚介調教師。ハンデは前走から3キロ増の55キロでも重賞連勝のチャンスは十分だ。
ミスニューヨーク(栗東・杉山晴紀厩舎、5歳)=55キロ=も前走のターコイズSで重賞初Vを飾った。道中最後方から上がり3ハロン最速の34秒6で差し切ったレースぶりは豪快の一語。中山では【3・0・0・1】と抜群の相性を誇る。3日は栗東CWコースでラスト1ハロン10秒9(6ハロン82秒6)をマークするなど休み明けでも攻め気配は絶好だ。「状態は安定しています。前走は強かった。ああいう脚を使うイメージはなかったのですが、新たな面を見せてくれました。中山は実績がありますし、引き続き楽しみです」と杉山晴調教師は腕をぶす。
テルツェット(美浦・和田正一郎厩舎、5歳)は昨年、ダービー卿チャレンジT、クイーンSと重賞2勝を飾った。ヴィクトリアマイル14着、エリザベス女王杯11着とGⅠでは壁にはね返されたが、牝馬同士のGⅢなら首位候補だ。1週前は美浦Wコースで障害王オジュウチョウサンと併せ馬をこなし、「動きは良かったと思います。(オジュウに)伸び負けしなかったし、むしろ切れ味では上回る感じでした。どこの競馬場でも走れているので中山の1800メートルも問題ないと思います」と和田正一郎調教師。小柄なだけにトップハンデ56・5キロの克服が鍵になりそうだ。
フェアリーポルカ(栗東・西村真幸厩舎、6歳)=56キロ=は一昨年に優勝し、昨年はハナ、クビ差の3着とこのレースで強さを見せている。一昨年の福島牝馬Sを最後に勝利から遠ざかっているが、前走・ターコイズSも0秒5差4着。年齢的な衰えはなく、今年も争覇圏内だろう。
スマイルカナ(栗東・水野貴広厩舎、5歳)=56キロ=は所属していた高橋祥泰厩舎の定年解散に伴って転厩した。中山はフェアリーS、ターコイズSと重賞2勝を挙げる得意コース。距離延長でスッと先手を奪えればスランプ続きから一変しても不思議はない。
ドナアトラエンテ(美浦・国枝栄厩舎、6歳)=55キロ=は昨年、福島牝馬Sでハナ差2着、府中牝馬Sで0秒3差4着と初のタイトルまであと一歩のところまで来ていた。将来を嘱望されてきたGⅠ7勝ジェンティルドンナの全妹も、はや6歳。所属クラブの規定で引退が迫っているだけに、何とかひと花咲かせたいところだ。
昨年のサンスポ賞フローラSを制したクールキャット(美浦・奥村武厩舎、4歳)=54キロ、牡馬相手のディセンバーSを逃げ切ったローザノワール(栗東・西園正都厩舎、6歳)=54キロ、この舞台でフラワーC勝ちの実績があるアブレイズ(栗東・池江泰寿厩舎、5歳)=56キロ=なども一発を狙う。
★中山牝馬Sの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載