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第60回産経大阪杯(3日、阪神11R、GII、4歳上オープン国際(指)、別定、芝・内2000メートル、1着本賞金6700万円、1着馬に天皇賞・春の優先出走権=出走11頭)2番手を追走した横山典弘騎乗の2番人気アンビシャスが、粘るキタサンブラックをクビ差とらえてV。重賞2勝目を飾った。タイムは1分59秒3(良)。宝塚記念(6月26日、阪神、GI、芝2200メートル)を視野に入れているが、次走は流動的だ。1番人気のラブリーデイは4着に敗れた。
強い4歳世代でもトップクラスといわれる実力を見せつけた。GI馬5頭が参戦した一戦をアンビシャスが快勝。初コンビの横山典騎手は左手をグッと握りしめ、会心のガッツポーズを見せた。
「デビューから見ていて、いい馬だと思っていた。オファーがきたときは『ヨシッ!!』と思ったし、結果が出せてよかった」
これまでのイメージを一新する騎乗だ。道中は逃げるキタサンブラックを2番手でマーク。序盤は掛かり気味だったが、「ゴールドシップより楽でした」と余裕の笑みを浮かべた。直線では、粘るキタサンをクビ差とらえてV。「いつも通り、馬のリズムを重視して乗りました」と22年連続JRA重賞勝利にも淡々と語ったが、同じ近藤英子オーナーが所有した音無厩舎のカンパニー同様、ノリならではの思い切った脚質転換が見事に決まった一戦だ。
この日の昼、横山典騎手は音無調教師と会うと「考えがあります」と先行策を伝えた。トレーナーも「騎手の意志が強かったので任せました。こんなにうまくいくとはね。自在に競馬ができる方が今後にとってもいい」と目を細める。
前走の中山記念では2着。勝ったドゥラメンテがドバイシーマクラシックで2着、3着のリアルスティールはドバイターフで優勝した。GI級の力を、GI馬5頭を倒すことで証明した。
近日中に放牧へ。「使うなら宝塚記念だけど、その線は薄いかな。夏休みなら秋は天皇賞・秋(10月30日、東京、GI、芝2000メートル)が目標」と指揮官。毎日王冠(10月9日、東京、GII、芝1800メートル)を挟み、GIを狙うプランが濃厚だ。
「必ず大きいところでやってくれる馬」。横山典騎手が高く評価するアンビシャスがさらなる高みを目指していく。 (渡部陽之助)
★入場人員前年比202.5%
産経大阪杯が行われた3日の阪神には、前年比202.5%の3万1373人が詰めかけた。好天に恵まれ、5頭のGI馬が出走したとはいえ、昨年もキズナなど6頭のGI馬がいただけに、異例の伸び。名手と名馬の競演にファンは沸いた。
★3日阪神11R「産経大阪杯」の着順&払戻金はこちら
アンビシャス 父ディープインパクト、母カーニバルソング、母の父エルコンドルパサー。黒鹿毛の牡4歳。栗東・音無秀孝厩舎所属。北海道浦河町・辻牧場の生産馬。馬主は近藤英子氏。戦績10戦5勝。獲得賞金2億94万9000円。重賞は2015年GIIIラジオNIKKEI賞に次いで2勝目。産経大阪杯は音無秀孝調教師が06年カンパニーに次いで2勝目。横山典弘騎手は初勝利。馬名の意味・由来は「大望のある」。