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上半期の中央競馬を締めくくるグランプリレースで、長距離路線、マイル中距離路線を戦ってきたトップホースが一堂に会す。古くはシンザン、スピードシンボリ、ハイセイコー、トウショウボーイなど、優勝馬の欄には往年の名馬の名前がズラリ。第29回(1988年)は昭和から平成にかけてオグリキャップとともに“芦毛対決”で競馬シーンを盛り上げたタマモクロスが勝ち、第31回(1990年)にはそのライバルだったオグリキャップが単勝1.2倍の断然人気を背負いながらまさかの2着に敗れる“事件”が起きた。また、第32~34回(1991~1993年)にかけては、メジロライアン、メジロパーマー、メジロマックイーンと異なるメジロ勢が3連覇するという珍しい記録が生まれている。第39回(1998年)は絶頂期のサイレンススズカが逃げきって待望のG1タイトルを獲得。第42回(2001年)は、ずっと後塵を拝してきた宿敵テイエムオペラオーをメイショウドトウが初めて撃破したことで、おおいに盛り上がった。第47回(2006年)はディープインパクト、第53回(2012年)はオルフェーヴルと、3冠馬が貫禄の勝利。そしてゴールドシップが、第54~55回(2013~2014年)と史上初の連覇を達成。第61~62回(2020~2021年)はクロノジェネシスが史上2頭目の連覇を達成した。
▼2013年のゴールドシップは天皇賞敗戦からの見事な復活劇を遂げた。
その年の掉尾を飾る有馬記念同様、前半戦を締めくくるファン投票レースを設けて関西圏の競馬を華やかに盛り上げようという趣旨から、1960年に創設された。競走名は舞台となる阪神競馬場の所在地の宝塚市に由来。当初より実績馬が数多く参戦したことで、主催者のもくろみ通り関西を代表するビッグレースとしての地位をまたたく間に築いていった。一定期間、出走資格は4歳以上(旧5歳以上)に限られていたが、現在は3歳馬にも門戸が開放されている。ただし、目一杯に仕上げられたオークスや日本ダービーからレース間隔が短いこともあり、そもそも3歳トップクラスの参戦は少なく、いまだ3歳馬は勝利を手にしていない。近年は上半期の総決算であるのと同時に、海外(主にフランスの凱旋門賞)に挑戦する現役最強クラスの馬たちの壮行レースとしての役割を担うようになってきている。また、2011年より「ブリーダーズカップチャレンジ」競走に指定。勝ち馬に対し、当該年のブリーダーズカップターフ(アメリカ)への優先出走権ならびに出走登録料の免除、輸送費の一部負担の特典が付与されるようになった。
1986年以降の優勝馬を掲載しています。
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記と統一しています。
回数 | 開催日 | 優勝馬 |
---|---|---|
第64回 |
2023年6月25日
阪神
芝2200m
|
イクイノックス
美
牡4 C.ルメール
木村哲也
|
第63回 |
2022年6月26日
阪神
芝2200m
|
タイトルホルダー
美
牡4 横山和生
栗田徹
|
第62回 |
2021年6月27日
阪神
芝2200m
|
クロノジェネシス
栗
牝5 C.ルメール
斉藤崇史
|
第61回 |
2020年6月28日
阪神
芝2200m
|
クロノジェネシス
栗
牝4 北村友一
斉藤崇史
|
第60回 |
2019年6月23日
阪神
芝2200m
|
リスグラシュー
栗
牝5 D.レーン
矢作芳人
|
第59回 |
2018年6月24日
阪神
芝2200m
|
ミッキーロケット
栗
牡5 和田竜二
音無秀孝
|
第58回 |
2017年6月25日
阪神
芝2200m
|
サトノクラウン
美
牡5 M.デムーロ
堀宣行
|
第57回 |
2016年6月26日
阪神
芝2200m
|
マリアライト
美
牝5 蛯名正義
久保田貴
|
第56回 |
2015年6月28日
阪神
芝2200m
|
ラブリーデイ
栗
牡5 川田将雅
池江泰寿
|
第55回 |
2014年6月29日
阪神
芝2200m
|
ゴールドシップ
栗
牡5 横山典弘
須貝尚介
|
第54回 |
2013年6月23日
阪神
芝2200m
|
ゴールドシップ
栗
牡4 内田博幸
須貝尚介
|
第53回 |
2012年6月24日
阪神
芝2200m
|
オルフェーヴル
栗
牡4 池添謙一
池江泰寿
|
第52回 |
2011年6月26日
阪神
芝2200m
|
アーネストリー
栗
牡6 佐藤哲三
佐々木晶
|
第51回 |
2010年6月27日
阪神
芝2200m
|
ナカヤマフェスタ
美
牡4 柴田善臣
二ノ宮敬
|
第50回 |
2009年6月28日
阪神
芝2200m
|
ドリームジャーニー
栗
牡5 池添謙一
池江泰寿
|
第49回 |
2008年6月29日
阪神
芝2200m
|
エイシンデピュティ
栗
牡6 内田博幸
野元昭
|
第48回 |
2007年6月24日
阪神
芝2200m
|
アドマイヤムーン
栗
牡4 岩田康誠
松田博資
|
第47回 |
2006年6月25日
京都
芝2200m
|
ディープインパクト
栗
牡4 武豊
池江泰郎
|
第46回 |
2005年6月26日
阪神
芝2200m
|
スイープトウショウ
栗
牝4 池添謙一
鶴留明雄
|
第45回 |
2004年6月27日
阪神
芝2200m
|
タップダンスシチー
栗
牡7 佐藤哲三
佐々木晶
|
第44回 |
2003年6月29日
阪神
芝2200m
|
ヒシミラクル
栗
牡4 角田晃一
佐山優
|
第43回 |
2002年6月23日
阪神
芝2200m
|
ダンツフレーム
栗
牡4 藤田伸二
山内研二
|
第42回 |
2001年6月24日
阪神
芝2200m
|
メイショウドトウ
栗
牡5 安田康彦
安田伊佐
|
第41回 |
2000年6月25日
阪神
芝2200m
|
テイエムオペラオー
栗
牡4 和田竜二
岩元市三
|
第40回 |
1999年7月11日
阪神
芝2200m
|
グラスワンダー
美
牡4 的場均
尾形充弘
|
第39回 |
1998年7月12日
阪神
芝2200m
|
サイレンススズカ
栗
牡4 南井克巳
橋田満
|
第38回 |
1997年7月6日
阪神
芝2200m
|
マーベラスサンデー
栗
牡5 武豊
大沢真
|
第37回 |
1996年7月7日
阪神
芝2200m
|
マヤノトップガン
栗
牡4 田原成貴
坂口正大
|
第36回 |
1995年6月4日
京都
芝2200m
|
ダンツシアトル
栗
牡5 村本善之
山内研二
|
第35回 |
1994年6月12日
阪神
芝2200m
|
ビワハヤヒデ
栗
牡4 岡部幸雄
浜田光正
|
第34回 |
1993年6月13日
阪神
芝2200m
|
メジロマックイーン
栗
牡6 武豊
池江泰郎
|
第33回 |
1992年6月14日
阪神
芝2200m
|
メジロパーマー
栗
牡5 山田泰誠
大久保正
|
第32回 |
1991年6月9日
京都
芝2200m
|
メジロライアン
美
牡4 横山典弘
奥平真治
|
第31回 |
1990年6月10日
阪神
芝2200m
|
オサイチジョージ
栗
牡4 丸山勝秀
土門一美
|
第30回 |
1989年6月11日
阪神
芝2200m
|
イナリワン
美
牡5 武豊
鈴木清
|
第29回 |
1988年6月12日
阪神
芝2200m
|
タマモクロス
栗
牡4 南井克巳
小原伊佐
|
第28回 |
1987年6月14日
阪神
芝2200m
|
スズパレード
美
牡6 蛯沢誠治
富田六郎
|
第27回 |
1986年6月1日
阪神
芝2200m
|
パーシャンボーイ
美
牡4 柴田政人
高松邦男
|
第1~8回は6月下旬~7月上旬。第9~36回は5月下旬~6月中旬。第37~40回は7月上旬。第41回から6月下旬に移動し、第52回(2011年)以降は「春の阪神競馬最終日に行われるレース」として定着している。
3歳以上馬が出走可能(第9~27回は4歳以上)。負担重量規定は、第1~3回および第9~12回は馬齢重量、第4~8回は別定、第13回以降は定量。定量の規定は時代とともに若干変化してきたが、現在(第37回以降)は3歳53kg、4歳以上58kg(それぞれ牝馬は2kg減)。コースは第1回が阪神芝1800m、第2~6回が阪神芝2000m、第7回以降が阪神芝2200m(一部、京都芝2200m、中京芝2400mで代替開催)。地方競馬所属馬は1995年から、外国調教馬は1997年からそれぞれ出走可能となった。
1998年までは関西地区共通のG1競走のファンファーレが使用されていたが、1999年より一般公募により選ばれた宝塚記念オリジナルのファンファーレがレース前に演奏されるようになった。
1960年 | レース創設。第1回を施行。舞台は阪神芝1800m |
1961年 | 施行距離を阪神芝2000mに変更 |
1966年 | 施行距離を阪神芝2200mに変更(ただし同年は京都芝2200mで施行) |
1969年 | 京都芝2200mで施行 |
1974年 | 京都芝2200mで施行 |
1980年 | 中京芝2400mで施行 |
1984年 | グレード制導入。G1に格付け |
1991年 | 京都芝2200mで施行 |
1995年 | 京都芝2200mで施行。指定交流競走となり地方競馬所属馬の出走が可能に |
1997年 | 国際競走となり外国調教馬の出走が可能に |
2006年 | 京都芝2200mで施行 |
2011年 | 「ブリーダーズカップチャレンジ」競走に指定 |
2020年 | COVID-19の流行により無観客競馬として開催 |
2024年 | 京都芝2200mで施行 |