競馬ニュース > 記事
GIウイーク限定の新企画『GI前哨戦 ズバッと診断』がスタート。ラップ分析に定評のある久保和功氏と夏目耕四郎氏が、高松宮記念の前哨戦を分析し、注目馬を推奨する。両者ともダノンスマッシュの実力を認めつつ、レースをランク付けした夏目氏はシルクロードS5着アレスバローズを穴馬としてイチ推し。久保氏はオーシャンS2着ナックビーナスに注目した。
夏目 GIの前哨戦をラップ面から分析する新企画。僕が前哨戦をランク付けしましたが、前哨戦で最高の『S』ランクは…。
久保 その前に、高松宮記念のレース傾向の確認から。過去5年の勝ち馬は全て4コーナーで2~6番手。先行馬が好走しています。
夏目 ただ、逃げて馬券に絡んだのは、2013年3着のハクサンムーンのみ。スピードだけでは押し切れませんね。
久保 それを踏まえて、まずはシルクロードSから。レースラップは前半3ハロン33秒3-後半35秒0で、好位差し&追い込み決着。この日は、馬場も外差しが優勢でした。
夏目 ハイペースを考慮すると、レースレベルは『A』。先行して好走した馬は要注目です。
久保 ダノンスマッシュは4コーナー5番手から、馬群を捌くのに手間取りながらもV。一枚上の印象で、レース傾向にも合致します。
夏目 同感です。負けた馬の中では、5着のアレスバローズに注目。直線で早め先頭に立つ、積極的な競馬でしたからね。速い上がりを使えるタイプで、中京のCBC賞でV実績もあります。
久保 オーシャンSはモズスーパーフレアが、中山の芝で史上最速となる前半32秒3で飛ばして逃げ切り勝ち。勝ち時計は、昨年のスプリンターズSを1秒2も上回りました。
夏目 文句なく最高の『S』評価です。ただ、中京では2戦とも着外。レース傾向からも逃げ切りが難しく、取捨に悩みます。
久保 それなら、2番手から2着のナックビーナスでしょう。昨年の高松宮記念では、4コーナー6番手から0秒1差の3着。レース運びが安定していますし、上位候補です。
夏目 阪急杯は『B』評価。上がりは例年より速いのですが、平均ペースで、他のレースよりレベルが低い。
久保 でも、2着のレッツゴードンキは侮れません。レース運びが上手で、17、18年高松宮記念2着とコース適性も高い。
夏目 17年のレッツゴードンキと同じく、京都牝馬S1着から挑むデアレガーロも上位にくる可能性はあります。
★高松宮記念の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
久保 和功(くぼ・かずのり) 競馬ライター。1982年生まれ、37歳。京大工学部卒、京大大学院中退。大学院在学中に「推定前半3ハロン」、「推定後半3ハロン」などのデータを分析し、競馬ブログ「ハイブリッド新聞」で公開。インターネット上で絶大な支持を集め、過去には1日10万アクセスの実績も。大阪サンスポの競馬開催日紙面で「京大式推定3ハロン」を連載中。
夏目 耕四郎(なつめ・こうしろう) 競馬コメンテーター、ライター。東京サンスポ勤務を経て、2008年に競馬雑誌「競馬最強の法則」でライターとしてデビュー。ラップタイム分析を軸にした予想法で、CS・フジテレビONE「競馬予想TV!」にレギュラー出演するなど活躍。大阪サンスポ日曜付紙面で「ラップで勝て!」を連載中。