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東の重賞も“チーム・安田隆”だ。サマーマイルシリーズ最終戦の京成杯オータムハンデキャップが13日、中山競馬場で16頭によって争われ、横山典騎乗で4番人気のトロワゼトワルが大接戦を制し、このレース連覇を達成。初の夏マイル王者に輝いた。2着はハナ差で3番人気のスマイルカナ。さらにハナ差の3着に13番人気ボンセルヴィーソが入り、1番人気のアンドラステは10着に敗れた。
産経賞セントウルSの約10分後、再び安田隆厩舎に歓喜のときが訪れた。ハンデ戦らしい大接戦。最後に鼻づらを突き出したのは、ダノンスマッシュの僚馬トロワゼトワルだ。日本レコードで制した昨年より3秒6も遅いタイムながら、堂々連覇を達成した。
「うれしいですね。1年前はやんちゃな女の子だったけど、すごくおとなしくなっていた」
昨年に続いて手綱を取った横山典騎手が笑顔で振り返る。超ハイペースで逃げ切った昨年とは違い、今年は大外(16)番枠のスマイルカナが先手を主張すると、2番手でぴったり折り合う。直線でしぶとく粘る逃げ馬と、外から襲い掛かってきたボンセルヴィーソにはさまれる厳しい状況。それでも、まるでゴール板の位置を知っているかのように、ハナ差で1年ぶりの白星をつかんだ。
「馬のリズムを大事に乗ったけど、こちらもエッと思うぐらい冷静に走ってくれたね。安田先生(調教師)には『向こう(中京)で勝って、こっちでも勝てて良かったね』と言ったよ」と、鞍上は東西同日重賞Vのトレーナーを祝福した。
当の安田隆師は「最高の一日。ゴールでグッとひと伸びしたときは目を疑いましたよ」。計16ポイントを獲得してサマーマイルシリーズの王者(褒賞金として馬主に2400万円、厩舎関係者に600万円)に輝いたことに「ハンデも昨年より重くなっているし、どうかと思ったんですけど」と、満面の笑みを浮かべた。
今後は未定だが「輸送がある方がいいみたいですね」とトレーナーは語る。昨年は日本レコードで、今年は過去10年で最も遅いタイムで勝ったトロワゼトワル。この先、特に関東圏で出走する際には要注意だ。(柴田章利)
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■トロワゼトワル 父ロードカナロア、母セコンドピアット、母の父ハーツクライ。鹿毛の牝5歳。栗東・安田隆行厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。戦績20戦6勝。獲得賞金1億9294万8000円。重賞は2019年GIII京成杯オータムHに次いで2勝目。京成杯オータムHは安田隆行調教師が19年トロワゼトワルに次いで2勝目。横山典弘騎手は1998年シンコウスプレンダ、2001年ゼンノエルシド、11年フィフスペトル、12年レオアクティブ、19年トロワゼトワルに次いで6勝目。馬名は「三ツ星(仏語)」。
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