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今週から関東圏の開催は東京に移る。開幕週のメインは、3日間開催の中日に行われる毎日王冠(GII、芝1800メートル)。天皇賞・秋の前哨戦で、実力馬が集結する伝統の一戦だ。注目は安田記念を制して復活を遂げたロゴタイプ。メンバー中、最多のGI3勝馬は順調に夏を過ごして、着実に態勢を整えてきた。力の違いを見せて、秋のGI戦線に駒を進める構えだ。
安田記念で鮮やかな逃げ切り勝ちを決めて、2013年皐月賞以来、3度目のGI獲りに成功したロゴタイプが、秋は毎日王冠で始動する。田中剛調教師の明るい表情が、順調さの証しだ。
「秋は予定通りここからスタート。放牧先の山元トレセン(宮城県)では、夏に調子落ちすることもなく調教を積んでもらえたので、美浦へ帰厩したときも、ほぼ仕上がって、いい感じでした」
3年ぶりの美酒を味わった前走は、じわっとハナに立ち、緩みのない流れで後続馬に小出しに脚を使わせる策。直線に入ってからもうひと伸びして、2着モーリスに1馬身1/4差をつける完勝だった。指揮官が「うまく乗ってくれました」と評した田辺騎手とのコンビ続行も心強い材料だ。
山元トレセンでの夏休みをはさんで、9月15日に追い切りを開始。1週前追いは美浦Wコースで5ハロン66秒4-12秒5をマークし、僚馬に1馬身先着した。ここまで5本の追い切りを消化。息遣いもひと追いごとに良化してきた。
「今週は田辺騎手に乗ってもらって、気合をつけて闘魂注入してもらうつもり。ここを使って天皇賞・秋(30日、東京、GI、芝2000メートル)の予定なので、その前にどんなレースをしてくれるか楽しみです」
目標はあくまでも先だが、きっちりと仕上げて臨む構え。トレーナーは復活を遂げた看板馬の走りに期待を寄せている。
鞍上の田辺騎手は、1日の中山競馬でJRA通算600勝を達成したばかり。ロゴにも3回騎乗して2連対と好相性を誇る。6歳になって再び覚醒したロゴタイプ。鮮やかに芝が生えそろった開幕週の東京で、GI3勝馬が貫禄の走りを披露する。 (片岡良典)
★毎日王冠の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
展望 安田記念でGI3勝目を飾ったロゴタイプが実績では断然の存在だが、前走は展開が味方した部分もあり、絶対的な中心とは言い切れない。今回と同条件のエプソムCを快勝したルージュバック、ドバイターフ優勝馬リアルスティール、この距離を得意とするアンビシャス、昨秋の天皇賞で2着に好走したステファノスなど、いずれも底力では互角。ただ、有力馬はいずれも休み明けだけに、夏場から順調に使われてきたウインフルブルームやマイネルミラノにも注意は必要だ。