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このGⅠシリーズで奮闘を続ける東京本紙予想担当の内海裕介記者(51)が、有馬記念の本命馬を決めるまでの心の揺れ動きを伝えるドキュメント連載。最終的な◎が決まる21日の枠順確定まで、競馬記者ならではの苦悩をお楽しみください。昨日の闘いはこちら。
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グランプリといえば、世代間の比較がポイント。とりわけ、3歳世代が通用するか否かは、的中への大きな鍵となっている。
ここ2年は3歳馬が連勝中と元気だが、一昨年のエフフォーリア、昨年のイクイノックスは、いずれも秋の天皇賞で最上級のメンバーを撃破しており、通用云々を問う必要すらなかった。しかし、今年の3歳勢に直接的な裏付けはない。
日本ダービーが終わった時点では、今年の3歳牡馬のレベルには懐疑的な見方が多かった。タスティエーラの優勝タイム=2分25秒2はオークスのリバティアイランドの記録(2分23秒1)を2秒1も下回り、ゴール前も各馬ひしめき合うようなフィニッシュだった。
ところがそのダービー。ここにきて評価を見直す必要が出てきた。5着ノッキングポイントが8月の新潟記念を制したのに続き、4着ベラジオオペラが2日に行われたチャレンジCで6カ月のブランクを克服して堂々とVを飾った。
見劣るどころか、無類の勝負強さを発揮している2020年生まれ組。タスティエーラも、ソールオリエンスも、世代屈指の実力馬であることに疑う余地はないのだから、これまた悩ましい有資格馬といえる。結論まであと2日。胃が痛くなってきた。(内海裕介)