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29日、ドバイ・メイダン競馬場で行われた第17回ドバイシーマクラシック(GI、芝2410メートル、15頭立て、1着賞金300万米ドル=約3億円)は、ライアン・ムーア騎手騎乗のジェンティルドンナ(牝5歳、栗東・石坂正厩舎)が優勝。昨年2着の雪辱を果たして海外GI初Vを飾り、日本馬としては2001年ステイゴールド、06年ハーツクライに続く、7年ぶり3頭目のドバイシーマクラシック優勝となった。勝ちタイムは2分27秒25(良)。1馬身1/2差の2着はシリュスデゼーグル(フランス)。
まさにハンパない勝ち方だった。直線の致命的なロスをばん回して、そこから差し切るケタ違いの内容。ドバイデューティフリーのジャスタウェイに続いて、立て続けに日本馬が世界の度肝を抜いた。
レースは日本のデニムアンドルビーが逃げる意外な幕開け。道中で中団のインにいたジェンティルドンナは、直線に向くと前が塞がり、行き場を失っていったんは完全にブレーキをかけて外に持ち出すロス。それでも、日本が誇る名牝は闘志をかき立てて末脚を伸ばし、前を行くシリュスデゼーグルを豪快に差し切った。直前のドバイデューティフリーを制したジャスタウェイに続いてのVで、日本馬の海外GI制覇は23度目。7冠馬ディープインパクト産駒の海外GI制覇は初めてとなった。デニムアンドルビーは10着に終わっている。
ムーア騎手は「ラフな競馬になってしまったが、加速したときの脚がすごい。状態は良かったし、非常に能力の高い牝馬。期待通りの競馬をしてくれた」といつも通りクールな表情でレースを振り返った。
ジェンティルドンナは、父ディープインパクト、母ドナブリーニという血統の鹿毛馬。通算15戦9勝。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、(有)サンデーレーシングの所有馬。重賞はGIIIシンザン記念、GI桜花賞、GIオークス、GIIローズS、GI秋華賞、GIジャパンC(12年)、GIジャパンC(13年)に次いで8勝目。年内での現役引退が決まっている。
ジェンティルドンナ(1着) 石坂正調教師のコメント 「やるだけのことをやっていたので、絶対に馬が変わると信じていました。春のシーズンで国内のGIもありますが、この激しいレースを経験したので楽しみです。久しぶりにあの根性を出してくれました。ジェンティルドンナはよくやりました」
デニムアンドルビー(10着) 角居勝彦調教師のコメント 「スタートが思ったより出てしまい、当初の想定と違う展開になってしまいました」
デニムアンドルビー 浜中俊騎手のコメント 「ゲートが良すぎて前に行ってしまいました。道中も馬が非常にエキサイトしていました。今までと違うレース展開になってしまい、こういう結果になりました」