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中山の土曜メーンは、夕刊フジ賞オーシャンS。出走馬から3年連続で高松宮記念(3月24日、中京、GI、芝1200メートル)の優勝馬が出ており、今や最重要ステップレースとして定着。注目は明け4歳の新星ハクサンムーンだ。京阪杯を逃げ切ったスピードは国内トップクラス。重賞連勝を決めて、王者ロードカナロアに挑戦状を叩きつける。
持って生まれたスピードは、どの馬にも負けない。前週の中山記念をシルポート(3着)の大逃げで賑わした西園厩舎が、今週も中山にスピード自慢のハクサンムーンを送り込む。
「この馬は生粋のスプリンター。スタートから2ハロン目を9秒9で走れるのだから。乗って体感してみたいよ。一体、どんな感じなのか」
西園調教師が注目したのは、5走前のアイビスSDのラップ。初の直線競馬で4着に敗れたが、前半2ハロン目で楽に10秒を切ったスピードは、現代のサラブレッドの最高レベルで、元騎手のトレーナーでも想像がつかないほどだ。
昨秋の京阪杯は鮮やかだった。10番人気の低評価だったが、最内枠から主導権を奪うと、開催最終週で傷んだ馬場をものともせず、アドマイヤセプターの追撃をアタマ差振り切った。その後は春の大舞台を見据えて休養。「体がひと回り大きくなって、スプリンターらしくなってきた」と西園師は成長ぶりに笑顔を見せる。21日の栗東での1週前追い切りも抜群。馬場が悪い時間帯の坂路で4ハロン52秒7の一番時計をマークした。
最大目標は高松宮記念。スプリント界は昨年の最優秀短距離馬で阪急杯を圧勝したロードカナロアが君臨するが、「ここで勢いをつけて、カナロアを負かしに行きたい」とトレーナーは宣言。ハクサンムーンが天性のスピードで、春の短距離戦線を盛り上げる。 (板津雄志)
◆本番につながる前哨戦 夕刊フジ賞オーシャンSは、GIIIに格上げされて8回目を迎えるが、現在は前週の阪急杯をしのいで、高松宮記念の最重要前哨戦となっている。2010年1着、11年2着のキンシャサノキセキ、そして昨年4着のカレンチャンと、3年連続で出走馬から高松宮記念の優勝馬が出ており、オープン特別だった02年の勝ち馬ショウナンカンプも、連勝でGIを制している。