競馬ニュース > 記事
東西トレセンで取材する記者が、日替わりでGI出走馬の気になる点を関係者に直撃する「俺のチェックポイント」。天皇賞・秋の初日は、大阪サンスポの佐藤将美記者が栗東でスカーレットカラー陣営にアタックした。いろいろな条件を使ってきているが、初めての東京芝2000メートルで身上の切れ味を発揮できるのか? 穴党記者が伏兵の周辺に探りを入れた。
◇
秋華賞のデアリングタクト、菊花賞のコントレイル。2週続けて大本命馬が、無敗の3冠を達成した。穴党としてはお手上げ状態だったが、黙って引きこもるわけにはいかない。今週の天皇賞・秋も登録12頭中7頭がGI勝ちだが、敢えてGI未勝利のスカーレットカラーを担当する山下厩務員のもとを訪ねた。
「3カ月ほど間隔があいていますが順調です。いつも何かアクシデントがあるんですが、今回は何もありません」
9月の終盤から時計を出し、1週前の21日には栗東CWコースで6ハロン82秒6-11秒6。25日にも同コースで3ハロン42秒0-12秒6を軽快にマークして、すこぶる順調だ。
今までGI勝ちはないが、切れ味に関しては素晴らしい。昨年、府中牝馬S(東京、芝1800メートル)を勝ったあとも、今年のサンスポ杯阪神牝馬S(阪神、芝1600メートル)2着、クイーンS(札幌、芝1800メートル)3着と、異なる条件で好走。果たして、初めてとなる今回の舞台はどうなのだろうか?
「そうですね。東京の(芝)1800メートルでGIがあったらベストでしょう」と切り出したあと、現実に目を向けた。「エリザベス女王杯(昨年7着)のように2200メートルはもちません。でも1600メートルなら2000メートルの方がいい。特に東京は届かないような位置から府中牝馬Sを差し切ったように合っています」
体調面に加えて、条件も悪くない。さらに現状についても「今の東京は高速決着ではないし、頭数も手頃です」と前向きなコメントが出てきた。
伏兵馬を取材するときは、かなりの“無理じい”をしてコメントを引き出すことが多いが、今回は自然とプラスコメントが出てくる。「馬群を割るのが平気なんですね。体もどっしりしてきて完成期になったと思います」と山下厩務員はまとめた。
生産者は3冠馬コントレイルと同じノースヒルズで勢いにもあやかりたい。アーモンドアイ、クロノジェネシスのGI勝ち牝馬に注目が集まるが、もう1頭のスカーレットカラーもお忘れなく。 (佐藤将美)
★天皇賞・秋の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載