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皆様、こんにちは。ウマニティ公認コラムライター兼プロ予想家の霧です。
昨秋、そして今春に引き続き、今秋もG1展望コラムを執筆させていただくことになりました。今回の連載はほぼ隔週の予定で、相変わらず更新ペースは安定しておりませんが、週末のG1が楽しみになるような内容をお届けできればと思っておりますので、またしばらくの間よろしくお付き合い下さい。
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……と意気込んで初回のお題である秋華賞に目を向けたわけですが、メンバーの顔ぶれ、そしてそれぞれの戦績をざっと確認した段階で早速白目を剥きそうになっています。
いやいや、何ですかこの難解なメンバー構成は。
例年であれば、春の桜花賞やオークスで共に安定した成績を残し、秋の前哨戦でも本番でもしっかりと好走するという中心馬がいるものですが、今年はそうした存在になっていたであろうソウルスターリングが路線変更のために不在。それに加えて、春の実績馬の大半がローズSで新興勢力に屈するという、あまり見ない状況が重なっています。
その一方で、王道路線から外れた独自のローテを歩むアエロリットや、3戦無敗で底を見せていないリカビトスなど、力関係の把握がしにくい馬達もおり、予想を組み立てるのがかなり難しいレースである印象を受けます。
実績馬、新興勢力、未知の存在……どの馬が信頼できるのか。そんな迷いを楽しみに変えて、正解に近付くことができれば最高ですね。
それでは秋華賞の展望、まいります。
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まず注目してみたいのが、前述のローズSの結果。
桜花賞馬レーヌミノル、同2着馬リスグラシュー、オークス2着馬モズカッチャン、皐月賞に挑戦したファンディーナなどなど、実績的には申し分ない有力馬達が揃っていたわけですが、蓋を開けてみれば夏競馬を使われての参戦だった伏兵ラビットランとカワキタエンカがワンツー。レースレベルは過去の同レースと比較するとかなり寂しいものでしたし、春の実績馬達の多くが余裕を持たせすぎたぐらいの仕上がりだったことを加味すると、この結果がそのまま本番に直結する可能性は低いように感じます。
勝ったラビットランはこれで芝2戦無敗となりましたが、芝変わりが良かったというよりも、後方でじっくりと構える戦法がこの馬にフィットしたという印象。
3走前にダート1800m戦を走った時には、序盤で掛かり気味に好位追走したことで末を失っていますので、距離が2000mに伸びる今回はこれまで以上に自分の競馬に徹する必要があるでしょう。秋華賞は差し・追い込み有利のレース質になりがちなだけに、脚質面で割り引く必要はなさそうですが、コーナーが多く直線も短いという、ここ2走とは全く違う形態のコースに対応できるかが鍵となりそう。血統だけ見るとパワーに任せて大味な戦法で勝ち切るような形が合いそうなので、器用さを求められるとやや分が悪いかもしれません。
ラビットランとは対照的に、逃げる形での好走となったのがカワキタエンカ。
先行勢総崩れのハイペースの中を粘った内容は評価できますが、こちらもラビットラン同様、直線に向くまで自分の競馬に徹することができたというのが大きかった印象。
過去の秋華賞の結果を見ると、逃げ寄りの先行脚質の馬の好走例はかなり少なく、後続の追撃が相当に厳しくなるという傾向が浮かんできます。本馬に近い脚質の馬が、人気を集めるであろうアエロリットやファンディーナといった実績馬達であるという点も踏まえると、再度の逃げ粘りというのはかなり高いハードルであるように思います。
本番で春の実績馬、新興勢力にまとめてリベンジといきたいのが、3着だったリスグラシュー。
常に馬体やテンションの維持に苦慮している馬ですが、ここ2週の追い切りの動きはなかなか。2着に頑張った桜花賞並の仕上がり具合にはありそうです。