競馬ニュース > 記事
第52回小倉記念(7日、小倉11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、ハンデ、芝2000メートル、1着本賞金4100万円 =出走12頭)サマー2000シリーズの第3戦は、和田竜二騎乗で11番人気の伏兵クランモンタナがしぶとく伸びてV。13度目の重賞挑戦で、良血7歳馬が待望の初タイトルをつかんだ。タイム2分0秒0(良)。クビ差2着が4番人気のベルーフ。1番人気のダコールは直線の不利が響いて4着に終わった。
11番人気の伏兵クランモンタナが大金星を挙げた。薄曇りの空のもと、和田騎手に導かれて重賞初制覇。2008年の皐月賞馬キャプテントゥーレ(父アグネスタキオン)の半弟が、7歳にしてようやく開花した。
「予想以上にズブかった。エンジンがかかればしぶとく伸びると思ったし、馬に負けないように頑張りました。天気が曇りがちになって体力ももちましたね」
和田騎手は笑顔でファンの声援に応えたが、“予想以上”のズブさ。引き揚げてきた直後に「もう無理」と叫ぶほどだった。スタート後から押してポジションを取り、2番手を追走したが、3コーナー手前でムチが入ると、その後も追い通し。それでも、そこからが真骨頂だ。逃げるメイショウナルトをかわして早めに先頭に立つと、最後までしぶとく伸びて後続の追撃を振り切った。
音無調教師は「見ての通り、3コーナーから叩いていっているし、ズブいのひとことだね。追い切りを見て、手が合いそうだと思ったし、もっと早く和田に乗せればよかった」と満面の笑顔。最後まで全力で追った鞍上とのコンビを称えた。
2014年のマレーシアC(1600万下)以来、2年ぶりの勝利で、サマー2000シリーズでは10ポイントで首位タイになった。次走は、もちろん最終戦の新潟記念(9月4日、新潟、GIII、芝2000メートル)。シリーズ優勝を狙う。
「2000メートルだと前々で競馬ができると思う。制覇の可能性もあるね」とトレーナーが力を込めた。ここまで7月から9月初旬の猛暑期は【3・1・1・3】の実績を残す典型的な“夏男”。40戦目でつかんだ重賞初勝利をステップに、さらなる飛躍を目指して鍛錬の日々を過ごす。 (渡部陽之助)
★7日小倉11R「小倉記念」の着順&払戻金はこちら
クランモンタナ 父ディープインパクト、母エアトゥーレ、母の父トニービン。芦毛の牡7歳。栗東・音無秀孝厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。戦績40戦6勝。獲得賞金1億7885万8000円。重賞初勝利。小倉記念は音無秀孝調教師が初勝利。和田竜二騎手は2014年サトノノブレスに次いで2勝目。馬名は「スイスにある高級スキーリゾート地名」。