阪神ＪＦの追い切りが東西トレセンで行われた。新馬－ＧＩＩデイリー杯２歳Ｓと連勝中のレーヴディソールは、栗東ＣＷコースでラスト１ハロン１１秒５と、抜群の切れ味を披露。３連勝でのＧＩ制覇へ態勢は万全だ。新潟２歳Ｓの勝ち馬で、栗東に滞在している関東馬マイネイサベルは、ＣＷコースでラスト１ハロン１１秒８と上々の伸び。ファンタジーＳ９着からの巻き返しに陣営は意欲満々だ。なお、阪神ＪＦは１０日に枠順が確定、１１日に前日発売が行われる。

　２歳女王へ向けて、一点の曇りもない。新馬戦－ＧＩＩデイリー杯２歳Ｓと連勝中のレーヴディソールが、万全の仕上がりでＧＩ戴冠へと臨む。

　「理想通りの調教ができた。中間もしっかり乗り込んでいるし、順調だよ」。松田博調教師が満足の表情を浮かべた。

　最終追い切りはＣＷコースで、僚馬２頭を１馬身ほど先行させる形でスタート。鞍上の指示に従って、スムーズに加速していく。直線は最内から抜群の手応えで並びかけ、ラスト１ハロンは１１秒５でフィニッシュ。鋭い伸びで、中マルセリーナ（牝２新馬）に１／２馬身、外ユニバーサルバンク（牡２、５００万下）に楽に１馬身先着した。

　６ハロンのタイムは８７秒７と地味だったが、１日に６ハロン８０秒０（ラスト１ハロン１１秒７）の好タイムをマーク。それほど強い調教を必要としない状態に、すでに仕上がっているからだ。「先週も速い時計を出しているしな。無事に行ってくれればいい」と松田博師。現時点で状態に不安はない。

　過去２走ともに、メンバー最速の末脚で、鮮やかな差し切り勝ちと、抜群の末脚を誇る。同じ松田博厩舎の牝馬で、２年前の阪神ＪＦを制覇し、今秋の天皇賞でＧＩ５勝目を挙げたブエナビスタを、早くもほうふつとさせる存在だ。「ブエナと比べても、そんなに変わらんちゃうか。性格がおとなしくて、体型も似ている。瞬発力もあるしな」とトレーナーはその能力に惚れ込んでいる。

　３つ年上の半姉レーヴダムール（父ファルブラヴ）は、０７年の阪神ＪＦでクビ差の２着。半兄レーヴドリアン（父スペシャルウィーク）は今年の菊花賞４着などの活躍をしたが、両馬とも、すでにこの世を去っている。一族悲願のＧＩ制覇は、この妹に託された。

　「姉ほど大きな馬ではないけど、そのぶん、素軽さがある。体のわりに大きなストライドで走るし、阪神外回りコースも合う」と期待を込める松田博師。様々な思いを背負ったレーヴディソールが、ノンストップで頂点へと上り詰めてみせる。（鈴木康之）

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