競馬ニュース > 記事
〝2強〟ムードに待った! 26日のジャパンCにタイトルホルダー(美浦・栗田徹厩舎、牡5歳)が挑む。天皇賞・春はまさかの競走中止に終わったが、復帰戦の産経賞オールカマーで2着と復活への足掛かりをつかんだ。中間は調教の内容も強化し、状態は明らかに前走以上。GⅠ3勝の実績馬が意地を見せつける。
復活へ、着実に歩みを進めている。タイトルホルダーは連覇を狙った天皇賞・春で、2周目3コーナー過ぎに失速。まさかの競走中止(診断は右前肢跛行)に終わった。大アクシデントからの再起を期した前走・産経賞オールカマーは2着。光の差す結果に、栗田調教師は改めてGⅠ3勝馬の底力を感じている。
「前回は競走中止の主な原因もつかめておらず、手探りの状況。また、暑い時期というのと、(坂路が改修中で)Wコースしか使えなくて調整も難しかった。よく頑張ってくれました」
早めに並びかけられる苦しい展開でも連対を死守できたのは、闘志が消えていない証拠だ。横山和騎手もレース後、「本当に馬には頭の下がる思い。次を含めて楽しみしかないです」と手応えを得ていた。
中間は調教内容もステップアップ。美浦の坂路が新装オープンしたことで、週末に2本登坂するメニューを組み込めるように。21日も4ハロン65秒5で駆け上がった。「新しくできた素晴らしい坂路が使えるのは大きい。この馬には坂路もあったほうが数段調整しやすいし、負荷もある程度かけやすい」とトレーナーは明かす。
16日の1週前追い切りは、前走時に行わなかった併せ馬を〝解禁〟。Wコースで一杯に追われ、6ハロン82秒2―11秒3の好タイムで併入した。指揮官は「宝塚記念を勝った一番いい頃を知っているぶん、それと比べると…というのはあるけど、和生(横山和騎手)が乗って時計的には良かったし、順調にきています」と合格点を与えた。
あとは久々の左回りが鍵。東京スポーツ杯2歳S2着、日本ダービー6着と未勝利だが、「東スポ杯はまだ馬の長所をつかめていない段階。ダービーも馬群の中での競馬だった。今は(バランスの)左右差も解消されてきて、右に張るところも見せない」と攻略に手応えを感じている。
イクイノックス、リバティアイランドと年下の2頭が脚光を浴びているジャパンC。しかし、タイトルホルダーにも、トップランナーとして牽引(けんいん)してきた意地がある。
「速いラップを刻むのが得意な馬だけど、競馬の形を決めつけるのはよくない。馬のことを一番よく知っているジョッキーが、うまく状況判断をしてくれると思う。力を100%出せるようにもっていきたい」
栗田師は完全復活への強い思いを口にした。4個目のビッグタイトルへ、逆襲のヒーローが府中のターフを駆け抜ける。(板津雄志)
★GⅠに強いドゥラメンテ産駒
ドゥラメンテ産駒はJRA・GⅠで通算【12・2・4・35】、勝率22・6%の好成績。回収率も単勝311%、複勝132%で馬券的な妙味も大きい。昨年の6勝に次ぎ、今年は5勝を挙げており、グレード制を導入した1984年以降、産駒がJRA・GⅠ5勝以上を複数回達成した種牡馬はディープインパクト(8回)、サンデーサイレンス(6回)、ドゥラメンテの3頭だけ。ジャパンCにはタイトルホルダーのほか、スターズオンアース、リバティアイランドが出走を予定している。