「勝ちっ放しはないでしょう？ 安倍さん・・・」

国会で野田元首相が、故・安倍元首相に手向けた追悼演説の一節だ。政治家に期待したことは一度も無いが久々に良いスピーチを聴いた、という心持ちになった。演説を聞いた多くの人が同じ思いをしたに違いない。まだ聴いていないという方はぜひ視聴してみて欲しい。

安倍さんは勝ったのだろうか。彼は本当に偉大な功績を残したのか。外交問題に積極的に取り組んだというが北方領土問題は何一つ進展していないし、中国の漁船は日本の領海に押し寄せワンサカ魚を乱獲している。友好的位置づけのはずの韓国には慰安婦問題を蒸し返され、北朝鮮は今や打ち上げ花火のごとく日常的に弾道ミサイルを放っている。

アベノミクスも正直良くわからない。3本の矢が何か未だ理解していないが（笑）、事実だけ見ればこの30年間でアメリカの平均所得は倍増し中国が3倍になった中、日本のそれは全く変わっていない。


それでもかつては1ドルほぼ100円だった円相場が150円になり、外食すればつまらない定食でも800円取られるようになった今日頭に浮かぶのは、もしかしたら安倍さんは目に見えないだけで実は大きなことをやったのかも・・・という思いだ。

私は憲法9条改正には大反対だが、彼がオリンピックを招致し少なからず景気を回復させたのは事実だろう。本当はもっと前にとっくに不景気のどん底を経験し今のような円安に陥っていた“はず”の日本を、見せかけだけでもよく回っているように“演出”し、延命措置したことが実は大きな功績だったのかも・・・などと思うのだ。

議論は尽きぬが、とにもかくにも歴史上類を見ぬ2822日の長期政権を彼は維持した。そして長いといえば今週メインの一つ、アルゼンチン共和国杯もまた中央競馬では屈指の長丁場のレースである。さて、つなぎが上手く行ったところで今週の格言を紹介しよう。

曰く「府中の2500は血統で買え」。

血統マニアほどの知識はないが今日の長距離血統は何か？ と問われればそれなりに持論は展開できる。統計データで確認した訳ではないが、昨今長距離で好印象といえばまず挙がるのがシンボリクリスエスとスクリーンヒーロー。次いでハーツクライ、ステイゴールドとオルフェーヴル。エピファネイアも悪くない。そして母方に入ると強い印象はキングマンボ。

テーオーロイヤルの父リオンディーズは自身の競走成績は短～中距離中心だったがその父キングカメハメハ、および祖父のキングマンボは多くのステイヤーを輩出している。また長距離系という印象はさほど強くないが自身の競走成績は長距離に偏ったマンハッタンカフェを母の父に持ち、血統面では不安が無い。

前述野田元首相のスピーチの“勝ち時計“は22分54秒。あまり好きなことではないがスターホースがいなくなるとJRAがすぐにやりたがるレコード演出のせいで、当該レースの時計も速くなると思われる。予想勝ち時計は2分29秒6だ。

（文：のら~り）

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