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2016年マカヒキ、18年ワグネリアン、2022年ドウデュースで現役最多の日本ダービー3勝を誇る友道康夫調教師(60)=栗=が、今年は皐月賞馬ジャスティンミラノ(牡)で歴代単独2位となる4勝目を狙う。友道厩舎の凄さを関係者が証言する企画がスタート。第1回は、騎手時代にワグネリアンで制した福永祐一調教師(47)=栗=が、〝厩舎力〟の高さを挙げた。(全3回)
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騎手時代に友道厩舎のワグネリアンに騎乗して日本ダービーを制した福永調教師。他には2008年鳴尾記念(サクラメガワンダー)、2021年天皇賞・春(ワールドプレミア)などJRA重賞11勝を挙げており、凄さの要因をこのように分析する。
「まずはいい素材の馬が入っているのが大前提としてあると思います。スタッフもそろっていますし、厩舎力が高い。ダービーを3つも勝っているように経験則が違います。結果を出しているので、ダービーを狙うような馬の依頼も増えてくるし、いい循環になっていると思います」
友道厩舎はこれまでJRA重賞を65勝しているが、そのうち40勝を芝の2000メートル以上でマークしている。GⅠも19勝中12勝が芝2000メートル以上で挙げたもの。芝の中長距離戦で圧倒的な存在感を示していることが、成績からも顕著に出ている。「短距離やダートは少ないように、調教師の好みやそういう馬を選んでいないのもあるかもしれません。調整方法に関しても芝の中長距離で走れるような調教をしているし、そのカテゴリーではナンバーワンじゃないかなと思います」
ジャスティンミラノは関西馬ながら、デビューから2戦連続で東京のレースを選択。クラシックを意識する素質馬は、調教内容に加えて先を見据えたローテーションで組み立てられている。
「騎手のときに一緒に仕事ができてすごくいい経験になったし、楽しかったです。友道先生の器量の大きさと、そのなかでスタッフが伸び伸びと働いている。いい厩舎だなと思います」
騎手時代に友道厩舎の調教に深く携わり、ともに美酒を分かち合った福永調教師が絶賛する〝厩舎力〟が、ダービーへのVロードにつながっているようだ。
■福永 祐一(ふくなが・ゆういち) 1976(昭和51)年12月9日生まれ、47歳。滋賀県出身。96年3月に栗東・北橋修二厩舎からデビュー。同年は53勝で最多勝利新人騎手。日本ダービーはワグネリアン、コントレイル(クラシック3冠)、シャフリヤールで3勝。JRA通算2636勝は歴代4位。重賞はGⅠ34勝を含む160勝。父・洋一氏は元騎手。今年3月に厩舎を開業。20日現在、JRA通算34戦5勝。
■友道 康夫(ともみち・やすお) 1963(昭和38)年8月11日生まれ、60歳。兵庫県出身。1989年5月にJRA競馬学校厩務員課程に入学。89年9月に栗東・浅見国一厩舎で厩務員となる。96年11月から栗東・松田国英厩舎で調教助手。2001年に調教師免許を取得して、02年に栗東で開業。20日現在、JRA通算4972戦726勝。重賞は65勝(うちGⅠは19勝)。