翌春のクラシックを意識した馬たちの参戦が目立つ一戦。いわゆる“出世レース”だけに、底を見せていないことが大事なポイントのひとつだ。2013年以降、前走1着馬が9勝を含む3着以内24頭と馬券圏内の大勢を占めている。残りの6頭はいずれも、前走OPクラス2～3着からの臨戦馬だった。条件クラス以下で敗れていた馬や、OPクラスで複勝圏を外していた馬は大きな減点対象となる。また、3着以内30頭中29頭がキャリア1～3戦馬だった。4戦以上消化していた馬は、3着1回のみと苦戦を強いられている。レースが行われる東京芝1800mは、広いコースでコーナーが少ないため、実力馬が比較的能力を発揮しやすい。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
2013年以降、1番人気が【4.1.2.3】、2番人気は【2.4.0.4】。ともに合格点の成績といえる。1～2番人気の共倒れは2018年の一度のみ、2桁人気の複勝圏入りは皆無と、極端な大荒れは見込みづらい。馬券は人気サイドを中心に組み立てるのが無難だろう。ちなみに、1番人気の支持に応えて勝利を収めた4頭はいずれも、のちにG1ウィナーに輝いている。

【脚質】
基本的には瞬発力と持続的な末脚が求められ、2013年以降は上がり3ハロンタイム1～2位馬が【9.7.4.6】という、上々の成績を残している。そのあおりを受けて先団に位置した馬は分が悪く、4角先頭馬は【0.0.0.10】と精彩を欠き、4角2番手通過馬も【0.1.2.9】と振るわない。いかに最後の直線で速い脚を使えるかが、最大の焦点になるレースといえよう。

【枠順】
過去20年の枠順別成績を確認すると、内寄りの1～3枠が半数の10勝を挙げている。キャリアの浅い2歳馬が集う重賞ゆえ、ゲートを出てから斜めに進路を取って向こう正面へ入るレイアウトも影響しているのだろう。2013年以降の結果を見ても、1～3枠が7勝、2着4回、3着6回と幅をきかせている。まずは内寄り重視のスタンスで臨みたい。

【血統】
東京スポーツ杯2歳Sは出世レースとしても名高く、とくにディープインパクト産駒として勝利した2011年ディープブリランテ、2017年ワグネリアン、2019年コントレイルの3頭は、いずれも東京優駿（日本ダービー）をも制して世代の頂点に輝いている。なお、ディープインパクトの全兄にあたるブラックタイドの産駒も、アガラスが2018年にハナ差2着と勝ちに等しい内容で好走。ブラックタイドにおいては後継キタサンブラックからも2021年1着イクイノックスが出ており、今後もサイアーラインで存在感を示していくだろう。ほか、ジャスタウェイ産駒も2020年1着ダノンザキッド、2021年3着テンダンス、2022年1着ガストリックと勢いが目覚ましい。東京芝1800mは同産駒が芝戦で最も勝ち星を挙げているコースでもあるので、コース適性の観点からも高く評価する必要がありそうだ（東京芝1800mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり）。