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有馬記念で古馬を制圧した3冠馬に、新たな勲章がまたひとつ加わった。6日、2011年度のJRA賞が発表となり、オルフェーヴル(栗・池江寿厩舎、牡4)が2011年の年度代表馬に輝いた。285票中284票と断然の票を集めた日本のスターホースは今年、3月のドバイ遠征はパスして、凱旋門賞(10月7日、仏GI、ロンシャン、芝2400メートル)制覇に全力を注ぐ。
2011年の中央競馬の“顔”は、やはりオルフェーヴルだった。史上7頭目の3冠馬に輝くとともに、有馬記念も制覇。285票中284票で、年度代表馬の栄冠を手にした。77年テンポイント、85年シンボリルドルフ、00年テイエムオペラオーに次ぐ満票には1票届かなかったが、05年の3冠馬ディープインパクト(291票中285票)を上回る圧倒的な得票率。池江寿調教師は、受賞に胸を弾ませた。
「光栄です。昨年の今ごろ(シンザン記念2着など)は、年度代表馬に選ばれるような成績ではありませんでしたが、オルフェーヴル自身の成長力に加えて、(栗東トレセン近くの)ノーザンファームしがらき、厩舎の各スタッフ、そして池添(謙一)騎手が教え込んできたことが実を結んだ結果だと思います」
昨年は3月11日に起こった東日本大震災で、日本が悲しみに包まれた。その中で池江寿師は「競馬で元気づけられれば」という気持ちを持って調教に励んだ。それに応えるかのように、春以降のオルフェーヴルは、心身ともに進化していった。
3月のGIIスプリングSでの重賞初制覇を足がかりに、皐月賞、ダービーで2冠を達成。春までは後方脚質だったが、秋には前でも競馬ができるようになり、レースぶりに安定感が増した。神戸新聞杯Vを経て菊花賞で3冠を達成すると、有馬記念では古馬も力強く撃破。「オルフェーヴルに出会い、年度代表馬の騎手になれたことを誇りに思います」と池添騎手も感無量の様子だ。
現在は滋賀県のノーザンファームしがらきに放牧中。春の予定は近日中に決まるが、予備登録を行ったドバイ(ワールドC、シーマクラシック)への遠征は行わず、世界最高峰のGI凱旋門賞を勝つために、最善のローテーションが組まれていく。
「(凱旋門賞でも)十分に通用する力はある。しっかり準備していい状態でもっていければ、世界一にも手が届くと思います」と池江寿師。日本一から世界一へ-。日本で最高の栄誉を手に入れたオルフェーヴルは2012年、世界最強への称号に挑戦する。