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今週は阪神競馬場で上半期総決算の宝塚記念が行われる。ブエナビスタ、レッドディザイアの“牝馬2強”5度目の対決など話題は豊富だが、史上初の連覇がかかるドリームジャーニーの出走も焦点のひとつ。強力な目標がいるレースだと、いっそう力を発揮するタイプだけに目を離せない。
ドリームジャーニーにとって、今年の宝塚記念は大記録がかかる一戦になる。過去50回の宝塚記念では連覇、あるいは2勝した馬はいない。勝てば史上初の連覇、さらに昨年は有馬記念も制覇しているので、スピードシンボリ、グラスワンダーと並ぶグランプリ3連覇達成となる。
今年の2戦は京都記念、産経大阪杯ともに3着に敗れたが、何ら問題はない。ともにグレード別定重量戦で、59キロを背負ってのレース。430キロ前後と小柄なジャーニーには重い斤量は他の馬以上にこたえ、身上の切れ味を削がれてしまうからだ。
「GIIで59キロを背負うのはGIホースの宿命ですが、2戦続けて使ったのは私のミス。かなり脚もとに負担がかかったと思います」
池江寿師も認める斤量の壁。その影響で天皇賞(春)を回避せざるをえなかったが、今は大丈夫。17日の栗東での1週前追い切りでは坂路4ハロン52秒6をマーク。騎乗した池添騎手は「久しぶりに乗ったけど、気になるところはなかった」と不安解消をアピールした。
宝塚記念は定量戦で昨年同様、58キロでの出走。トレーナーが「58キロなら大外まくりの脚が使えると思うので、条件的にはありがたい」というように十分力を出せる重量で、“大外まくり”は強力な目標がいてこそ発揮できる。昨年の宝塚記念はディープスカイ、有馬記念はブエナビスタをマークして快勝。今回も1番人気必至のブエナビスタを目標にレースを運べそうなのはプラス材料といえる。
宝塚記念で連覇を達成した馬がいないのは、調整が難しい梅雨時の開催という点もひとつの要因だろう。だが、ジャーニーは2歳時から大きな故障なく第一線で活躍し続けてきているように、たくましい精神力があるのが頼もしい。
「いい状態で出走させて、ジャーニーらしい競馬ができれば、結果はついてくると思っています」
池江寿師は連覇へ自信を見せている。(高尾幸司)