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今週の阪神日曜メーンは菊花賞トライアル神戸新聞杯(1~3着に優先権)。皐月賞馬アンライバルドが、雨の不良馬場に泣いて12着に敗れたダービーから、雪辱を期して復帰する。ひと夏を越して成長した姿を見せてくれるのか注目だ。他にもダービー2着リーチザクラウンや、朝日杯FS馬セイウンワンダーなど3歳牡馬の一線級が出走予定。菊花賞前哨戦は大いに盛り上がりそうだ。
雨に煙るダービーでの大敗から約4カ月。皐月賞馬アンライバルドが雌伏の時を経て神戸新聞杯で復帰する。
後方から一瞬のうちに突き抜けた皐月賞の強さがうそのように、ダービーでのアンライバルドの末脚は封じ込められたままだった。終わってみれば12着。泥だらけで引き上げてきた岩田康騎手は「大外の(18)番枠で、他の馬も行こうとするから無理はできなかった。勝負どころでは馬場を気にしてしまって…」とぼう然と答えるしかなかった。
皐月賞馬のダービーでのふたけた着順での敗戦は89年のドクタースパート(14着)以来、20年ぶりの不名誉なもの。友道調教師にしてもここまでの大敗は想像外だったようで、「少々の雨ならまだしも、これだけ降ってしまうと、全然、前に進んで行かなかった」とがっくりと肩を落とした。
失意のどん底からはい上がるため、アンライバルドはダービー後は北海道安平町のノーザンファームに放牧。休養を含めて牧場の坂路で乗り込まれ、改めて立て直しがはかられた。栗東に帰厩したのは8月下旬。9月に入ってからは、坂路とCWコースで毎週のように時計を出してきた。
「馬体はそれほど変わっていませんが、動きに迫力がある。春よりも確実にパワーアップしていますよ」
友道師は復調しただけでなく、成長を遂げたアンライバルドの姿に復活の手応えを感じている。17日の1週前追い切りはCWでブルーホリゾン(牡5、500万下)を4秒も後方から追走。さすがに最後は一杯になってクビほど遅れてしまったが、6ハロン78秒2、3ハロン37秒6-12秒3の好タイムなら態勢は整ったとみていい。
「仕上がりは順調ですね。精神的に春よりも落ち着きが出てきたし、ここは休み明けでもサッと通過しないとね」
どうやら、ダービー馬ロジユニヴァースは菊花賞(10月25日、京都、GI、芝3000メートル)には出走しないムード。雪辱を果たすまで負けられないことは、友道調教師の言葉からも伝わってくる。進化したアンライバルドが復帰初戦でどんなレースをするのか、楽しみになってきた。