第３０回根岸ステークス（３１日、東京１１Ｒ、ＧＩＩＩ、４歳上オープン国際、別定、ダ１４００メートル、１着本賞金３８００万円、１着馬にフェブラリーＳの優先出走権　＝出走１６頭）戸崎圭太騎乗の１番人気モーニンが、好位から直線で抜け出して重賞初制覇。デビューから６戦５勝とし、次走のフェブラリーＳ（２１日、東京、ＧＩ、ダ１６００メートル）に向けて弾みをつけた。タイム１分２２秒０（稍重）は、レースレコードだった。２着はタールタン、３着はグレープブランデー。

　ダート界に新たな夜明けだ。明け４歳のモーニンが１番人気に応えて古豪を一蹴。重賞初ＶでフェブラリーＳへの扉をこじ開けた。

　「終始、手応えはよかったし、余力ある走り。次につながる強い競馬でしたね」

　初コンビで勝利に導いた戸崎騎手が舌を巻くほどの底知れぬ能力。しかも昨年のＭＶＪはこの土日で６勝の固め勝ち。勢いは昨年のままだ。

　スタートこそ速くなかったが、ダッシュを利かせてあっという間に先行集団へ。絶好の３番手で直線に向いても手応え十分。タガノトネールをかわして先頭に立つと、タールタンの追撃を余力たっぷりに振り切った。タイム１分２２秒０（稍重）はレースレコードで、２００８年にフェラーリピサがマークしたコースレコードにも０秒１差に迫る優秀なものだった。

　賞金的に２着ではフェブラリーＳ出走は微妙だっただけに、勝つしかなかった。それだけにジョッキーは「強い馬というイメージどおりでしたし、きょうは人気に応えられてホッとしています」と、安堵（あんど）の表情だ。

　「ガーッと行ってしまうところがあるので、ジョッキーがうまく乗ってくれました」と石坂調教師は騎乗を称賛。「休ませた３カ月で馬力がアップしていました。中２週で本番はかわいそうだけど、がんばってほしい」と、ＧＩ獲りに意欲をみせる。

　同じ馬主で厩舎の先輩、マイルＣＳ南部杯を連覇しているベストウォーリアの主戦も戸崎騎手。本番での鞍上について、石坂師は「Ｍデムーロと戸崎騎手の両方にオファーしている。どちらがどちらに乗るかは、まだわかりません。戸崎騎手の気持ち次第では」と話すと、ジョッキーは「うれしい悩みですね」と笑顔になった。

　同世代にはチャンピオンズＣ２着のノンコノユメもいる。本番でも古豪を撃破して、ダート界の世代交代を高らかに宣言する。　（柴田章利）

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モーニン父ヘニーヒューズ、母ギグリー、母の父ディストーティドヒューマー。栗毛の牡４歳。栗東・石坂正厩舎所属。米国産。馬主は馬場幸夫氏。戦績６戦５勝。獲得賞金９４０８万８０００円。重賞初勝利。根岸Ｓは石坂正調教師、戸崎圭太騎手ともに初勝利。馬名の意味は「ジャズの曲名」。

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