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西村淳也(23)=栗・フリー=騎乗で1番人気のビッグリボンがしぶとく脚を伸ばして差し切り。連覇を目指した3番人気ウインマイティーの追撃を抑え、重賞初制覇を果たした。菊花賞馬キセキの全妹という良血で、さらなる活躍が期待される。3着は10番人気ホウオウエミーズ。
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梅雨の中休みとなった仁川でビッグリボンが開花した。コンビ5戦目で結果を出した西村淳騎手は、勝利をかみしめた。
「ここ2走は僕がうまく乗れませんでした。それでも馬主さんや厩舎を含め関係者の方に依頼をいただき、なんとか結果を出したいという気持ちでいっぱいでした」
前半1000メートル通過が57秒3というハイペースにもあわてず騒がず、後方を追走。徐々にポジションを上げると、直線半ばで先頭へ。迫るウインマイティーを突き放し、初タイトルをつかんだ。
鞍上の好騎乗に、東京競馬場で見守った中内田調教師も「特殊な展開でしたが、ジョッキーがうまく乗ってくれました。最後も馬場を選んで走らせてくれて、それに応えて馬も頑張ってくれました」と最敬礼だ。
体質の弱さなどもあって出世が遅れたが、年齢を重ねて能力を出せるようになった。「まだ、ここで終わるような馬ではないと思うので、さらに大きいところで頑張りたいです」とジョッキー。波乱が続くレースを1番人気が制したのは9年ぶりのこと。実力を示した人馬が、さらなる飛躍を目指す。(山口大輝)
■ビッグリボン 父ルーラーシップ、母ブリッツフィナーレ、母の父ディープインパクト。鹿毛の牝5歳。栗東・中内田充正厩舎所属。北海道日高町・下河辺牧場の生産馬。馬主は石川達絵氏。戦績10戦5勝。獲得賞金1億1689万2000円。重賞は初勝利。マーメイドSは中内田充正調教師、西村淳也騎手ともに初勝利。馬名は「誰よりも大きな結果を結べるように」。
《アラカルト》
■単勝1番人気の勝利 2014年のディアデラマドレ以来、9年ぶり7度目。
■ハンデ55キロでの勝利 ハンデ戦となった06年以降では、17年マキシマムドパリ以来、6年ぶり3度目。