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上半期のグランプリ宝塚記念が25日、阪神競馬場で行われる。「俺のチェックポイント」初日は、大阪サンスポの丸橋正宣記者が、中山牝馬Sで重賞初勝利を飾った関東馬スルーセブンシーズに注目。過去2回の阪神遠征と違い、この中間は栗東トレセンで調整。その狙いについて探った。
主役のイクイノックスと僚馬ジオグリフの陰に隠れているが、スルーセブンシーズも栗東トレセンに滞在中の関東馬。一昨年の秋華賞11着、昨年のマーメイドS10着と、過去に2度の関西遠征は、レース直前に美浦から阪神競馬場への長距離輸送だった。今回、栗東で調整する意図は? 全休日の19日、関東馬の出張馬房で高木厩務員を直撃した。
「マーメイドSのときは金、土曜日と全くカイバを食べませんでしたから。競馬場に到着するとスイッチが入るので、早めに燃え尽きてしまったのかもしれません」
金曜輸送のマーメイドSは6キロの馬体減。土曜日輸送の秋華賞は430キロと増減こそなかったが、レース3日前に美浦で計測した馬体重は448キロ。長距離輸送を経て18キロも減り、2桁着順という結果も考慮すると、力を十分に発揮できなかったのかもしれない。
今回は2週前の11日に栗東入りして、阪神への輸送のリスクを軽減。15日はCWコース、18日は坂路で調教を行い、順調な調整をアピール。同厩務員は「今は落ち着いてきているし、馬体も前走と同じくらいで出られそう。当日輸送なら大丈夫だと思います。馬場入りを嫌がるのは美浦と同じ。環境に慣れてきたのでしょう」とうなずく。
前走の中山牝馬Sは、自身最速の上がり3ハロン33秒8をマークして重賞初制覇。決め手に磨きがかかっており、充実度は歴戦の牡馬相手でも見劣らない。世話役は「性格的にも落ち着いてきて、難しさも今はそんなに感じません。相手は強いですが、どこまでやれるか」と期待を寄せる。
過去5年の当レースで、牝馬は【3・0・2・8】と活躍。父は2009年に当レースを勝ったドリームジャーニーで、今回の結果次第では登録している凱旋門賞(10月1日、仏GⅠ、パリロンシャン、芝2400メートル)への参戦も現実味を帯びてくる。今までと違った遠征パターンで、成長を遂げた今なら、過去2回の阪神とは違った走りを見せてくれるかもしれない。(丸橋正宣)
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