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ウマニティプロ予想家・霧が、今週のNHKマイルC出走馬の中から、特に的中への鍵を握りそうな1頭にフォーカス。指数・血統・調教を中心とした”予想的イマジネーション”で掘り下げていきます。
【クルゼイロドスル】
年初の中山・ジュニアCからの直行でここに挑んでくる本馬。 2歳の王道路線やクラシック路線、ファルコンS、アーリントンC、ニュージーランドTといった主要ステップを経由していないため、人気上位馬の中でも特に評価が分かれそうな1頭と言える。
デビュー戦こそ敗れているが、この時の勝ち馬はあのリバティアイランド。加えて7月という早い時期の新馬戦であり、5月という遅い生まれの本馬が、2月生まれのリバティアイランドに敵わなかったのは仕方のない結果と言えよう。
指数面で見た時、勝ち上がりを決めた未勝利戦と前走のジュニアCの内容は、時期や馬場傾向を踏まえると極めて優秀。特にジュニアCに関しては、直線半ばから流し気味に走りながら、同舞台の主要ステップ・ニュージランドTに匹敵する走りを見せている。一杯に走っていれば更に時計が詰まった可能性もあるだろう。
東京・中山の両方で優秀な指数を刻んでいるというのもポイントが高く、今回のメンバーでも勝ち負けに持ち込むだけのポテンシャルは十分に感じる。
一方で、3戦目のデイリー杯2歳Sにおいて、道中で突然力み出して鞍上が折り合いに苦心していたように、気性面に若さを残すのは気になるところ。勝ったジュニアCにしても、逃げる形になった分マイペースで走ることができたものの、序盤折り合いが付くまでには少々時間を要していた。 現状では、のびのびと自分の走りができれば非常に強い一方で、歯車が噛み合わなかった場合は意外と伸びない……という、浮き沈みがありそうなタイプに映る。
血統的な視点で見ていくと、父が高松宮記念馬ファインニードルということで、真っ先にスプリンターの可能性を考えたくなる。 が、本馬の母系はアルカセット×ダルシャーン×サドラーズウェルズという、欧州の中長距離色が非常に濃い構成。日本の馬場、更にスピード勝負のマイルとは縁遠い血統であり、ファインニードルの血が入ることで、ようやく馬場にも距離にも対応できているというイメージだ。
本馬自身、気性面はともかく、走り方自体は比較的ゆったりとしており、スプリンターという印象は薄い。折り合いさえ付けば中距離くらいは楽にこなしそうな雰囲気すらあり、この辺りは母系の影響が強そうだ。 時計が物凄く速くなり、スプリンター寄りの馬が台頭するようなレース質になると厳しいかもしれないがスタミナや底力が問われる流れ、または道悪のタフな馬場になる等すればより良さが出そう。
状態面に関しては。ジュニアCを勝った1月の時点で早々に本番直行を決めていて目標が明確な分か、順調に調整が行えている印象。1週前追い切りはかなり負荷がかかりそうな内容だったが、へこたれずに最後まで伸びていた。 これで最終追い切りがさらっとした内容で、動きに大きな問題がなければ、実戦でも走れる出来になっていると判断したい。
あとは当日、どれほどの人気に落ち着くか。 ローテの面からバッサリ消す人もいる一方、本命に推す人も意外と多いのでは?と思えるほどの力を感じる馬なので、実際の評価、取捨は発走までじっくりと悩んでみたい。
○霧(きり)プロフィール
ウマニティ公認プロ予想家。レース研究で培った独自の血統イメージに加え、レース戦績や指数等から各馬の力関係・適性を割り出す”予想界のファンタジスタ”。2023年1月には、長年の活躍が認められ殿堂プロ入りを果たす。
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