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今週末は中山競馬場で、秋のGIシリーズ開幕戦・スプリンターズSが行われる。昨年の香港スプリント、今春の高松宮記念勝ち馬ダノンスマッシュを管理する安田隆行調教師(68)=栗=を直撃。史上6頭目の同一年春秋スプリントGI制覇が懸かる一戦へ向けて、中間の様子、相手関係、意気込みなど聞いた。(取材構成・宇恵英志)
--史上6頭目の同一年春秋スプリントGI制覇が懸かる
「競走馬として、今がピークといえます。充実していますね。デビューから、無理にレースを使わずにきたことが、実を結んだと思います。中山も経験していますし、競走条件に不安はありません。スムーズならチャンスがあるでしょう」
--前走のチェアマンズスプリントは6着
「現地での調整で、少しうまくいかない面がありました。レースも出遅れて流れに乗れない感じもありましたので。仕方がありません」
--5カ月半ぶりの実戦になる
「間隔が詰まると、気持ちが入り過ぎてカーッと燃えてしまう。適度の間隔を取った方が心身のバランスが取れて、いい走りができる。今回のローテは予定通りです」
--23日の1週前追い切りは、栗東坂路で4ハロン50秒0-12秒2で一番時計
「川田騎手に騎乗してもらい、いい感触を得たようです。馬房の前を通るとかみつきにくるくらい元気で、与えたカイバもすぐに平らげます。すこぶる順調です」
--ライバルは
「セントウルS組になりますかね。勝ち馬のレシステンシアは高松宮記念で接戦でしたし、2着馬のピクシーナイトはレースぶりが良かったですね。この2頭は怖い存在といえます。未対戦の3歳馬がどうかという思いはありますが、負けられないという思いもあります」
--レースの見通しは
「枠順がどこになるかは気になりますが、メンバーを見るとペースが速くなって、この馬に向いた流れになりそう。リズムよく運んで、末脚を生かす競馬ができれば」
--意気込みを
「今春の高松宮記念は重馬場で勝ちましたが、良馬場の方がいいと思えるタイプ。次は香港に遠征(香港スプリント参戦)の予定。いい結果を残して、向こうに行きたいですね」
★ベスト体重キープ…ダノンスマッシュは全休日の27日、大一番に向けて自厩舎で英気を養った。現段階で馬体重は478キロほど。しっかりと調教を積んでおり、ムードは上々だ。「順調です。見たまんまという感じ。ベスト体重の472、474キロで出走できそうです。まともなら、普通にいい結果を出してくれると思います」と岩本助手の口調は力強かった。
■安田 隆行(やすだ・たかゆき) 1953年3月5日生まれ、68歳。京都府出身。1971年から騎手候補、翌年から騎手となりJRA通算680勝。重賞は13勝でGIは91年トウカイテイオーで挙げた皐月賞、日本ダービーの2勝。94年に調教師免許を取得し、翌年から栗東で厩舎を開業した。27日現在、JRA通算878勝で重賞は49勝。GIはロードカナロア、トランセンド(ともに4勝)など13勝。
★スプリンターズSの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載