【サンスポ賞フローラS】バロネッサがWコースで軽やかに鋭伸 新コンビの津村明秀騎手「距離の心配もしていません」
きれいにストライドを伸ばし、軽やかに僚馬をかわしていった。バロネッサが美浦Wコースで6ハロン82秒2─11秒1をマーク。3馬身ほど先行したアイベラ(1勝)を目標に進み、直線で津村騎手が軽く仕掛けると、内からスッと反応して半馬身前に出てゴールした。
「いい動きでしまいの反応も良かった。口が敏感なところはあるけど、コントロールが難しい馬ではないです。体力がありそうだし、距離の心配もしていません」と鞍上は上々の感触をつかんだ様子。先週11日にも同コースを6ハロン80秒0―11秒2の好タイムで駆けており、調教評価は最高の『S』だ。
前走(東京芝1800メートル)の勝ちっぷりは光った。パドックでまたがろうとしたルメール騎手を落とす気性の幼さこそ見せたが、レースでは優等生の立ち回り。2番手から危なげなく抜け出し、2着に1馬身¾、3着にはさらに5馬身の差をつけた。ペースの違いこそあれ、Vタイム1分46秒2(良)はのちの皐月賞馬ジャスティンミラノが勝った同日の共同通信杯より1秒8も速かった。
もともと陣営の期待が大きかった素質馬だ。山崎助手は「2歳の入厩時から立ち姿がきれいで、顔つきもいい。歩き、ダク、キャンターなども本当にきれいで、大きい舞台へ行くべき馬だと能力を感じていました」と語る。慎重な性格で、最初は外で人を乗せるのも大変なほど過敏な反応を示していたが、経験を重ねるごとに解消。同助手は「調教でも前を走る、後ろを走る、真ん中に入れるなど、昔できなかったことができるようになった。レースでもスタートなど、ひとつひとつ課題をクリアしてくれて、成長は著しいですよ」と手応えを明かす。
半兄がホープフルS勝ちのドゥラエレーデ(父ドゥラメンテ)で、近親に菊花賞と有馬記念を勝ったサトノダイヤモンドがいる血統背景も魅力だ。イタリア語で「女の男爵」を意味するバロネッサが、このオークストライアルから一気に華やかなステージに飛躍する。(板津雄志)
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