日本ダービー前日の２７日、京都メインで３歳限定の短距離重賞である葵Ｓ（ＧⅢ、芝１２００メートル）が行われる。ＧⅢに格上げされてからは初の京都開催。グレード無しの重賞時代からコース替わりの初週に実施されていたこともあり、逃げ・先行タイプの活躍が目立っている。

ビッグシーザー（栗東・西園正都厩舎、牡）の軸は不動とみる。中京での未勝利戦Ｖから才能が開花したのか、オープン特別、リステッドを含め破竹の４連勝。順調にキャリアを積み重ねてきた印象だ。逃げ、先行、差しいずれの競馬も経験しており、また上がり３ハロンの末脚もメンバー上位で安定。中京芝１２００メートルでは同コースの２歳レコードをマークしての勝利で、速い時計の決着にも対応力を示している。隙は見当たらない。

スピードではモズメイメイ（栗東・音無秀孝厩舎、牝）も見劣らない。ダッシュの速さを武器にここ３戦は全て逃げの競馬。前走の桜花賞でもテンのダッシュはむしろメンバー上位のものを見せていて、初の１２００メートル参戦でもスピード負けをしそうな雰囲気は全くない。それでいて引っ掛かる面はそこまで見せておらず、操縦性にも不安なし。２戦２勝の武豊騎手に手が戻って、初距離で才能が花開く。

タマモブラックタイ（栗東・角田晃一厩舎、牡）は芝１２００メートルで３戦２勝、２着１回。２走前のファルコンＳで重賞初制覇を飾り、余勢を駆って前走でＮＨＫマイルＣに挑んだ。結果は１０着だったが、０秒８差と着順ほどは負けていない。全３勝が稍重、重でのものだけに高速決着への対応が鍵だが、開催が進んで荒れた馬場は苦にしない。メンバー上位の実績をここでも見せつけるか。


他にも、マーガレットＳでビッグシーザーに鋭く迫ったブーケファロス（美浦・清水英克厩舎、牡）や、シンザン記念２着の実績馬ペースセッティング（栗東・安田隆行厩舎、牡）、重賞でも大崩れせず走れているスピードオブライト(美浦・相沢郁厩舎、牝)、不良馬場の橘Ｓを５馬身差で圧勝したルガル(栗東・杉山晴紀厩舎、牡)などの楽しみな顔ぶれがそろった。

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