今週末の中央競馬は、札幌記念、北九州記念と秋のG1戦線を見据えた戦いが北と南で繰り広げられます。そのうち、スプリンターズステークスへの重要なステップレースとなる北九州記念に、注目の3歳牝馬が参戦予定です。チューリップ賞と葵ステークスの重賞2勝を挙げたモズメイメイです。

54キロで出走できるのですから、このモズメイメイを軽視するのは無謀です。しかし、そろそろ当コーナーの無理があるコンセプト（笑）に慣れてきたウマニティ読者の皆様なら、筆者が他の馬にターゲットを変更するなどあり得ないと思われているに違いありません。果たして期待されているのか、どうかは分かりませんが（笑）、このモズメイメイに難癖をつけてみたいと思います。

いつものように、近10年の北九州記念におけるデータから。前走が葵ステークスだったという3歳馬の戦績は「0-1-0-3」。2着が1回ありますが、勝ち馬は出ていません。もっともこれだけではサンプル数が少なすぎますので、さらにこんなデータも用意しました。

前走・葵ステークスでのモズメイメイは逃げ切り勝ちでした。前走で逃げる競馬をした馬の北九州記念での戦績は「0-3-2-15」で、このデータからも良くて2着までであることがわかります。さらにレース当日に逃げた馬の戦績も「0-1-1-8」です。逃げ馬には不利なデータばかりが目立ちます。


葵ステークスで手綱を取っていた武豊騎手は「逃げるつもりはなかったが、（スタートで）出たのでハナに立った」という趣旨のコメントをしています。今回はジャスパークローネやメイショウゲンセンなど、前走で逃げていた馬が他にもいますので、こうした馬にハナを譲る可能性もあるのかもしれません。

しかし、こぶし賞、チューリップ賞、桜花賞、葵ステークスと4戦続けて逃げる競馬を続けた馬が、果たして番手に控える競馬をするものでしょうか？逃げて結果を残している馬だけに疑問が残ります。

今回、モズメイメイは松若風馬騎手との初コンビでの出走です。同騎手は今年は小倉で6勝を挙げていますが、そのうち3勝はこの芝1200m戦でのものです。全て控える競馬での勝利であり、しかも全て乗り替わりで勝っているので、その点はプラス材料なのですが、同型馬との兼ね合いを松若風馬騎手はどう考えているのでしょうか？前走まで乗っていた騎手とは違う乗り方を求められるというのは、簡単なことではないような気がするのですが……。

以上、指摘した点をモズメイメイ絡みの馬券を買う方はよく考える必要がありそうです。それでは代わりにどの馬を狙うのか？という話になると、それはそれで難しいとは思いますが（笑）。

（文・菅野一郎）

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