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第61回神戸新聞杯(22日、阪神11R、GII、3歳オープン国際(指)、馬齢、芝・外2400メートル、1着本賞金5200万円=出走18頭)今春の皐月賞と日本ダービーでいずれも2着だったエピファネイアが、福永祐一騎手に導かれ、中団追走から直線で楽に抜け出して完勝。課題の折り合い面を克服し、単勝1.4倍と断然の1番人気に応えた。タイム2分24秒8(良)。2着は7番人気マジェスティハーツ、3着は2番人気サトノノブレスで、上位3頭が菊花賞(10月20日、京都、GI、芝3000メートル)の優先出走権を得た。
格の違いを見せつけた。エピファネイアが横綱相撲で菊の前哨戦を快勝。圧倒的な1番人気馬で結果を出した福永騎手の笑顔が弾けた。
「めちゃめちゃうれしい!! やっと乗りこなすことができた。春の敗戦を踏まえて、牧場や厩舎スタッフが最大限の努力をしてくれたので、その思いに応えたかった」
旺盛過ぎる前向きな気性を抑えきれず、皐月賞、日本ダービーでは2着。だが、秋初戦で進化した姿を披露した。
先行馬が軽快に飛ばす中、課題だった行きたがる面を見せず、中団の外めで折り合った。3コーナー過ぎから徐々にポジションを上げ、馬なりのまま残り300メートルで先頭へ。ゴール前の急坂も悠々と駆け上がり、後続に2馬身半差をつけて重賞2勝目を挙げた。
折り合いをつけるために、陣営は試行錯誤。19日の追い切りと同様、実戦でもリングハミを着用して舌をしばった。日本ダービー後から一層、筋力トレーニングに励んだジョッキーは、ホッとした表情を浮かべた。
「これから騎手を続けていく上で、これくらいパワーがある馬を乗りこなせないと、超一流の馬で結果を出せない。この馬で成果が出ないと意味がないからね」
次走はオーナー側と相談の上で決まるが、長丁場(芝3000メートル)の菊花賞に対する不安は解消された。皐月賞馬ロゴタイプ、日本ダービー馬キズナが不在のラスト1冠獲得へ、視界は良好だ。
「次にどこへ行くにしても、きょうの内容は次につながる」
福永騎手は自信の弁で締めくくった。春の屈辱を糧に、雪辱の秋へ。エピファネイアが悲願のGIタイトルをつかみ取る。
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■エピファネイア 父シンボリクリスエス、母シーザリオ、母の父スペシャルウィーク。鹿毛の牡3歳。栗東・角居勝彦厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は(有)キャロットファーム。戦績7戦4勝。獲得賞金2億5178万3000円。重賞は2012年GIIIラジオNIKKEI杯2歳Sに次ぐ2勝目。神戸新聞杯は角居勝彦調教師、福永祐一騎手ともに初勝利。