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秋のマイル王決定戦。かつては天皇賞・秋の前哨戦の意味合いが強かった毎日王冠組が、幅を利かすようになっている。今年も毎日王冠組からジャスティンカフェを抜擢したい。
以前から当欄でエピファネイア産駒の好調期の短さを指摘しているが、この馬は珍しく4歳になって台頭してきて、休み明けの毎日王冠でもきっちり見せ場を示した。現状では左回りの府中のほうがいいのだろうが、阪神の外回りマイルなら差してこられるはずだ。母父がワークフォースで、汎用性の高いキングマンボ系であることも好感。元をたどれば4代母はオークス馬シャダイアイバーで、ガレオンやペインテドブラック、センターライジングなど、OP馬が近親には数多。その名前を並べるとやや古い母系の感がなきにしもあらずだが、ここでこんな活躍馬が出るということはまだまだ衰えていない系統だということだろう。
相手にはセリフォス。ダイワメジャーにフランスの快速系ルアーヴルという掛け合わせで、マイルで真っ当に活躍する馬を出せたのは、父としては面目躍如か。強みはどんな競馬でもできるところで、鞍上も意のままに動かせそう。やはり前受けして競馬ができるようになれば、ダイワメジャーの正統後継にもなれるだろう。GⅠのここで好走できるようだと、先がさらに明るくなる。
3番手にシュネルマイスター。昨年は毎日王冠VからマイルCS2着。今春の安田記念でも2着と力を見せ、秋初戦は6ハロンのスプリンターズSを選択したのだが、レース展開もあって9着と意外な敗退。これをどうみるかだ。父がキングマンで距離短縮は理にかなっているが、そこがうまくいかなかったのはピークを過ぎたからか? とはいえ、そこはドイツ牝系の出身。まだ底力と力の維持具合は十分なはずで、実績のある距離での巻き返しが見ものだ。
4番手はウインカーネリアン。こちらはLとGⅢのマイル戦を3連勝して、たっぷり休養を挟んでのGⅠ。当欄の読者には耳タコだろうが、バカにしていると平気で連続好走してくるスクリーンヒーロー産駒。レースの格が上がってさすがに厳しいんじゃ? と思っていると突っ込んでくるのが特徴だ。母父マイネルラヴも地味めだが、シーキングザゴールドの豊かなスピードをよく伝えているようだし、母系には底力のミルリーフも入っており、決して侮ってはいけない1頭だ。(夕刊フジ)