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3歳世代の頂点を決める日本ダービーが26日に行われる。2007年ウオッカ以来史上4頭目の牝馬Vを狙うレガレイラ(美浦・木村哲也厩舎)の馬主、サンデーレーシング代表吉田俊介氏(50)を直撃。皐月賞6着からダービー出走を決めた理由や大一番への意気込み、さらに登録のある凱旋門賞などについて聞いた。(取材構成・綿越亮介)
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--クラシック登録で皐月賞、日本ダービーにエントリーした経緯は
「デビュー前から期待はすごくしていた馬で、函館の初戦が本当にいい内容で強かったですし、距離はあった方がいいタイプということで、皐月賞、ダービーにも登録しました」
--牡馬相手にホープフルSを快勝
「期待以上でしたね。びっくりしました。完全にシンエンペラー(2着)が抜け出して勝ちレースでしたけど、それを外を回してあの瞬発力で差し切っちゃうわけですから、相当能力がある馬じゃないと勝てない。それで次は皐月賞へ、その結果が良ければダービーへと思いました」
--皐月賞は6着
「前が止まらない馬場で絶対前め、内めにいないといけなかったと思うんですけど、スタートでぶつかって位置取りが悪くなって、1コーナーでももう1回ぶつかって厳しいなと。かわいそうなレースでしたね」
--前週のオークスではなくダービーを選択した理由は
「迷いましたけどね。(間隔が)1週長く、回復できるのもあったけど、それよりもこの馬は強いと思っていて、当初からダービーに行く計画を立てていたので、その通りにしましょうか、というのが大きいですね。それくらい力がある馬だと期待していますから」
--近年は牝馬が牡馬相手にGⅠを勝つことも多い
「牝馬の方がトレーニングはすごく難しいと思っていたけど、調教だったり、普段の調整の技術が進歩しているから、今は牝馬でもやり合える馬がいる。今回もそう思っての挑戦です」
--スワーヴリチャードの初年度産駒
「めちゃくちゃ勝ちますよね。距離が短いところも長いところも。この世代は繁殖(牝馬)の質がお世辞にも高いわけではなかったですけど、そのなかでも好成績を挙げていますし、すでにすごい種牡馬だと思います」
--サンデーレーシングはダービーを4勝
「ダービーは特別ですよ。一番勝ちたいです。毎年勝っていてもいい。競馬場の雰囲気も違いますしね。オーナーはみんな勝ちたいレースでもあるし、ファンもみんな見に来たい、その場にいたいレースですよね」
--凱旋門賞への登録も発表された
「選択肢の一部ですけどね。ヨーロッパの力のいる馬場にも適性を感じるので。登録締切がダービー前だったので、早めの発表となりましたが、(出否は)今回の結果を踏まえてです」
--2007年ウオッカ以来17年ぶり4頭目の牝馬Vへ、意気込みを
「皐月賞も上がり3ハロンは最速でしたし、最後の脚は素晴らしいものを持っているので、そこをうまく生かせるような競馬が理想ですね。すごく期待しています」
■吉田俊介(よしだ・しゅんすけ)1974(昭和49)年4月13日生まれ、50歳。北海道出身。慶応大経済学部を卒業後、ノーザンファームに入社。米国研修から帰国後、ノーザンファーム空港牧場場長に就任。2007年から一口馬主法人サンデーレーシング代表。15年からノーザンファーム副代表を兼任。ノーザンファーム代表・吉田勝己氏の長男。趣味は乗馬。
◆ルメール騎手はオークスから2週連続GⅠ制覇狙う…レガレイラとコンビを組むクリストフ・ルメール騎手(45)は、先週のオークスをレガレイラと同じ木村厩舎のチェルヴィニアで優勝。2週連続GⅠ制覇が懸かる。ルメール騎手はダービー1勝で、2017年に藤沢和雄厩舎のレイデオロでV。前週のオークスも同じ藤沢厩舎のソウルスターリングで勝っていた。今年もルメール騎乗の同一厩舎オークス、ダービー制覇なるか。
◆母系はノーザンファームの宝…レガレイラの祖母はディープインパクトの妹ランズエッジ(母ウインドインハーヘア)。同じくダービー出走のアーバンシック、今年の桜花賞馬ステレンボッシュも同じ祖母だ。「当然、その牝系は大事にしています。同じ年に(クラシックを)走るのもすごく不思議なものを感じますよね。ウインドインハーヘアもノーザンホースパークにいるんですけど、元気に日向ぼっこしていますよ。つい拝みに行っちゃいますよね。ウインドインハーヘア〝詣で〟です」と吉田代表は笑う。