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牡馬クラシック3冠最終戦「第78回菊花賞」(GI、芝3000メートル)が、22日に京都競馬場で行われる。ダービー1~3着馬が不在で混戦ムードが漂うなか、神戸新聞杯の2着好走で一躍注目を浴びているのがキセキだ。鞍上は菊花賞を勝てば外国人初の3冠ジョッキーとなるミルコ・デムーロ(38)=栗東・フリー。“頼れるイタリアン”はゾッコン惚れ込んでいる素質馬とともに、大輪を目指す。
--今年の菊花賞はキセキがパートナー
ミルコ・デムーロ騎手「素晴らしい馬に乗せてもらえます。能力が高くて、とってもいい馬です」
--初コンビを組んだ2走前の新潟・信濃川特別は古馬を相手にV。上がり3F32秒9のすごい切れ味だった。続く神戸新聞杯はダービー馬レイデオロの2着
「新潟のときはすごく、いい勝ち方ができました。前走は菊花賞の練習と思って、それをイメージして乗りました。落ち着いていて、折り合いがとてもついていた。スタートはいつも遅いし、3、4コーナーの間で内でゴチャゴチャしてしまって、あんまりスムーズではなかったけど、最後まで一生懸命に走ってくれました」
--3000メートルへの手応えも得られた
「距離が初めてなのは、どの馬もみんな同じで大変だけど、2400メートルで折り合いがついていたし、最後まで伸びてきたから、問題はないと思います」
--18日の追い切りは芝コース馬なりでラスト1F11秒9
「動きは素晴らしかった。追い切りでもいつも一生懸命に走る馬で、今回も同じだった。前走で少し馬体は減っていた(マイナス12キロ)けど、それも問題なかった」
--淀の坂越えの長丁場。レースプランは
「3000メートルは初めてだし、できれば中団で流れに乗っていきたい。どんなペースになるかも分からないけど、道中、折り合いをつけて運びたいですね」
--今週末も雨の予報が出ている。道悪はこれまで経験していない
「そういう馬場は悪くないと思います。追い切りも雨の影響で芝は少し重かったけど、走りは全然問題なかった。たぶん大丈夫」
--ダービーの上位3頭が不在で、混戦模様といわれている
「ライバルはいっぱいいます。でも、レイデオロが走らないのは良かったかな(笑)。強いのは中山で勝った(横山)ノリさんの馬(ミッキースワロー)です」
--ライバルを押さえて優勝すれば、今年のGI4勝目。皐月賞(03年ネオユニヴァース、04年ダイワメジャー、13年ロゴタイプ、15年ドゥラメンテ)、ダービー(03年ネオユニヴァース、15年ドゥラメンテ)と合わせて、日本の牡馬3冠完全制覇がかなう
「今年、クラシックをひとつも勝っていないので、どうしても勝ちたい。素晴らしい馬で能力には自信があります。ぜひ応援してください」
★角居厩舎3勝目へ調整万全
キセキは19日朝、いつもの追い切り翌日と同様に、運動のみの微調整を行った。「追い切りは馬の後ろでよく我慢できていた。あとは競馬までしっかりカイバを食べてくれればいい。今のところ食べているし、リラックスしていますよ」と辻野助手。角居厩舎は04年デルタブルース、13年エピファネイアで菊花賞を勝っており、「キセキは距離が延びてどうかだけど、春より力をつけているし楽しみ」と、3勝目へ手応え十分だ。
★“デム&ルメ”で今季GI7勝
今年のGIはデムーロとクリストフ・ルメール(38)=栗東・フリー=の“デム&ルメ”コンビが席巻している。先週までデムーロ3勝、ルメール4勝で、今年行われた平地GI14レースのうち半分を制している。なおGIでの直接対決は12レースあるが、デムーロ4勝、ルメール8勝となっている。
また、2人はJRAリーディングでも熾烈な争い。現在のトップは戸崎圭太騎手(37)=美浦・田島厩舎=の145勝で、ルメールが141勝、デムーロが137勝で追う。あと2カ月半の間に、順位は激しく入れ替わりそうだ(数字はすべて16日現在)。
■ミルコ・デムーロ 1979年1月11日生まれの38歳。イタリア・ローマ出身。弟のクリスチャンも騎手として活躍中。本国で97年から4年連続でリーディングに輝く。短期免許での初来日は99年で、2003年に皐月賞(ネオユニヴァース)でGI初制覇。15年にJRA騎手免許試験に合格し、クリストフ・ルメールとともに外国人初の通年免許を取得した。これまでに重賞68勝(うちGI21勝)を含むJRA通算741勝をあげている。
(夕刊フジ)
★菊花賞の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
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