第５３回（２２日、中山１１Ｒ、ＧＩＩ、４歳上オープン国際、別定、芝・外２２００メートル、１着本賞金６０００万円　＝出走１１頭）ＧＩＩでは力が違った。福永祐一騎乗の圧倒的１番人気ルーラーシップが、豪快に突き抜けて重賞４勝目を飾った。タイムは２分１７秒３（不良）。２着にナカヤマナイト、３着にゲシュタルトが入った。

　完璧な横綱相撲だった。単勝１４０円という断然人気に支持された超良血馬ルーラーシップが、次元の違うパフォーマンスで圧倒。重賞４勝目をマークし、悲願のＧＩ獲りへ弾みをつけた。

　「１番人気をキッチリ勝たせることができた。位置はもう少し前かと思ったが、折り合いに専念。内がよくないので馬場のいい外を通り、あとは馬のリズムでいった」

　昨年５月金鯱賞以来のコンビを組んだ福永祐一騎手は、日経新春杯に続いての２週連続の重賞制覇。責任を果たして笑顔が弾ける。

　道中は中団の外で折り合い、４コーナーでは相棒を信頼して大外へ持ち出した。直線は馬場の真ん中を進み、先に抜け出したナカヤマナイトを残り２００メートルでかわす。ゴールでは３馬身差をつける圧勝。上がり３ハロン３５秒６はメンバー最速と破壊力が違った。

　「前にナカヤマナイトといういい目標がいた。かわせば勝てると思ったし、手応えには余裕があったから」とユーイチが余裕の表情で振り返るほどの楽勝劇に「強かった。いいスタートが切れました」と角居調教師も満足そうにうなずく。

　母は天皇賞・秋を制した女傑エアグルーヴ、半姉にエリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴがいる日本屈指のファミリー出身。しかし、ＧＩは５戦して昨年の有馬記念４着が最高。

　「（ＧＩ制覇を）期待されている血統ですし、頑張りたい」とトレーナーが意欲を見せれば「ＧＩを獲れる素質をもっている。これを機に日本を代表する馬になってくれれば」とユーイチも手応え十分だ。

　３月３１日のドバイ国際競走（ＵＡＥドバイ、メイダン競馬場）はドバイワールドＣ（ＧＩ、ＡＷ２０００メートル）とドバイシーマクラシック（ＧＩ、芝２４１０メートル）に予備登録。次走について角居調教師は「オーナーサイドにすべて任せます」と明言を避けたが、心身ともに充実した今なら昨年のドバイシーマクラシック（６着）のリベンジも可能だ。昨年のＡＪＣＣ覇者トーセンジョーダンは秋の天皇賞でＧＩ初Ｖ。出世レースを制したルーラーシップが夢への大きな一歩を踏み出した。　（森田実）

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